LINKBAL x Timers CEO対談

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2018年12月に、カップル専用アプリPairyが、運営するTimersからLINKBALに事業譲渡されることが発表されました。なぜ譲渡を受け入れたのか、なぜ譲渡をしたのか、今後の展望を踏まえLINKBAL CEO吉弘和正さんと、Timers CEO 高橋に語っていただきました。

ワードプレスで始まったmachicon JAPAN、Pairyを事業買収しアプリ領域を強化

高橋(以下T) : 今日はよろしくおねがいします。早速なんですが、LINKBALさんは街コンを普及されたことで有名ですが、今回Pairy事業を譲渡させていただくことになりました。

吉弘(以下Y) :当社は、街コンなどの独身向けイベントの集客をポータルサイトで行い成長してきました。ここからさらなる事業成長を狙う際に、アプリ領域にも注力していきたいと思い、今回の譲り受けに至りました。

これまで当社も色々なアプリを開発しアプリ開発の難しさは良く知っている中で、Pairyさんを使った時に早くてすごく良くできているという印象を持ちました。今、私は奥さんとのメッセージや写真のやり取りを全部Pairyで行っています。最近は、家のワンチャンの写真が数百枚もアップされていて、もうPairyから逃げられない感じです(笑)

T: そうなんですね、嬉しいです。アプリは本当むずかしいですよね、特にPairyのように写真アップロードやチャットをいれた途端に難易度が劇的に上がり、検証までのコストが大幅にあがります。街コンジャパンは、創業からしばらくはワードプレスベースだったんですよね?いつまでワードプレスでやっていたのですか?

Y: ワードプレスでは約3年前までですかね。創業時の2011年6月に私がワードプレスのようなCMSでサイトを作りましたが、その後9ヶ月位はそのサイトで運用をしていました。街コンがテレビのゴールデンタイムで毎晩のように取り上げられたこともあり、machicon JAPANのユーザーが急激に伸びました。もうこれ以上は厳しいかなと思いワードプレスでリニューアルを行いました。それが2012年の初めだったので実質4年位はワードプレスを使っていました。最後の方は改良に改良を重ねていたこともあり、ユーザビリティーを阻害する位まで遅くなってしまっていました。

T: でも逆に言えば、ワードプレスでそこまで伸びてたっていうのも興味深い話ですよね。結論伸びるときはシステムがどうであれ伸びるし、伸びないときはシステム改善されてもイマイチ伸びないよなぁと。僕らは初期まともなアプリをつくることがまず大きな課題でそこに注力してきましたが、まさしくMVP的な考え方で、アプリじゃなくWebで十分とか、ワードプレスで十分とか、そういった割り切りって本当重要ですね。今後は、人員的なところも含め、組織全体としてテクノロジーに寄せてくイメージですか?

Y: 組織としては全て重要なので、組織を寄せていくというよりはテクノロジーのチームを強化していくということです。これからテクノロジーなしに事業を成長させるのは難しい。特に当社のようなWebサービスを提供している会社はテクノロジーがグロースの中心なので。

Timersは家族アプリFammに注力するために、譲渡を決意

Y : Pairyはどのようにして生まれたのですか?

T : 僕らは2012年に創業し、関わる人たちがモチベーション高く、その哲学を愛してコミットできる事業をやりたいと思った時に、恋人や家族がテーマとして出てきました。スマホの一画面目に入れてもらえるアプリを目指した方がいいなと思っていた側面もあります。当初は家族でも恋人でもどちらからでも良かったのですがスマホの〜的にカップルが先の方が良いのではないかとなり、カップル専用アプリから開発し起業。その2年後に家族向けアプリFammを開発しました。実際、モチベーション高く信じれてやってこられたのは大きな経験になったなと。思いれが強い分、運用になかなか工数を避けなかったり、Fammの方が伸びてきたこともあり、引受先を見つけた方が良いとなり色々探したということが経緯です。

Y : 他のカップル向けのサービスとどのような差別化をして成長させてきたのですか?

T : Fammもそうですが、家族や恋人はリアルに紐付いていることが特徴だと思っていて。なるべくオンラインで完結せず、いかにそのあとに物にして届けてリアルな場でどうコミュニケーションを取ってもらうかにどう繋げるかというところはすごく重視して考えています。そのため、譲渡の話が出たときには、イベントなどをやっているリアルにつよい会社さんの方が相性が良いと思っていました。僕らのFammもイベントで撮影会などリアルな場を交えて伸びているということもあるのでそこが特徴ですね。

Y : Pairyって、写真を現像して送って来てくれるのはやはり良いですよね。

T : そうですよね、物がくるのはやっぱり良いですよね。結構今出てきている若い企業はITから、ITのみにフォーカスしていることが多い中で、僕らの会社はリアルを交えている面白さがあり、そこに固執していないとすごく言われるんですけど、今回こういう機会があり色々調べたところさらによりリアルから始まっているところで、それによってものすごい伸び方をしていることが面白いというか、勉強になるなと思いました。僕らもよりデジタルに固執せずにやって行きたいなと思ってるんですよね。

L : オンラインだけでなく定期的に写真を送ってきてもらって、それを家に実際に置いておけるというのは嬉しいですね。

T : 僕らも家族や恋人のコミュニケーションについて創業して6年ずっと考えているんですけど、例えば新しい写真がスライドショーになったり、新しい動画になってスマホでプッシュで来ただけだと自分で見て終了なのに、DVDになって家に送られて来たら確実に会話になるよねと。夫婦の中でとか。そうどう会話をリアルの中で生み出すか、持っているデータを自動編集してやるかがすごくポイントかなと。今のPairyも最後に入れたところがブックを編集したところが勝手にチャットに流れるのを入れたんですけど、そうすると確実にそこから会話になる、そこが面白いなと思っている。デートのところもお気に入りに入れたらそれが勝手にチャットに流れて会話になるなど、それも入れたかったなと。

L :私が一番使う機能が写真とチャットで、チャットで送られてきた写真が自動でアルバムに掲載されるなど、良く考えて作られていると思います。写真にコメントも入れられるので、会話が増えてきたように感じます。

業界がデジタルにフォーカスしがちな中、アナログで攻めることに機会がある

T : 御社もかなりリアルな体験を中心としている企業ですよね。

Y : そうですね。元々、当社はポータルサイトを伸ばすために自分たちで多くのイベントを開催していました。今では自分たちが開催するイベントを少なくしプラットフォーマーにフォーカスしていますが。

T : 世の中的にテクノロジーに注目されてる中で、御社のようにイベントを中心にしかもものすごいスピードでスケールした事例って非常に興味深いですよね。ある種そういう領域にチャンスはまだまだ転がっているのかなという気もしますよね。

Y : そうですね。世の中がテクノロジーに注目している今だからこそ、アナログでの機会もあるのではないかと思っています。もちろんテクノロジーとの同時並行だとは思いますが。

T : 僕らはどちらかというとテクノロジーを過信しすぎてやってきたのが反省としてあって、最近はリアルなイベントの方も注力しています。御社の場合、初期のテクノロジー投資はあまりやらなかったわけですよね?そこに対して後悔というか、今だったらこうするみたいなのってありますか?

Y :最初はエンジニアが1~2人のみで、当時はポータルサイトに掲載するコンテンツを増やすことに注力していて、社内ではイベントを開催する社員がほとんどでした。そのようなこともあり、当社はエンジニアを増やすタイミングが遅れていましたが、もっと早くからエンジニアを増やしていたかったというのはあります。

T : それは意図として?

Y : 意図というか、当時Web企業という見方をされていなくエンジニアの採用に苦労していました。2015年の上場前あたりからテクノロジーを強化するために投資し始め、それから段々エンジニアが増えました。今では、社員を含め20〜30人位のエンジニア体制になりました。昨年12月にはベトナムに開発拠点を設立しましたが、ベトナム拠点は今期中に十数人まで増やしたいなと思っています。

 

T : そこって難しいですよね。昔から一般的にテクノロジーっぽく見せた方が評価されやすい傾向はあるじゃないですか。そこのスケールを考えても投資対象じゃないよね、もっとコンテンツ増やしてイベント数増やす方にフォーカスしようという話になったんですか?

Y : ポータルサイトにとって重要な要素は色々ありますが、コンテンツの量はECサイトにとって重要な要素の1つです。当時、そのコンテンツ数が圧倒的に足りなかったため、ポータルサイトをスケールさせるために自分たちでイベントを開催しコンテンツ数を増やしていました。

T : 今戻ったらどのタイミングでテクノロジー投資をしますか?

Y : ある程度は最初から投資していたと思います。現在と売上水準も違うので大きく投資をできたかは疑問でしょうが。

T : なるほど。

Y : その当時もエンジニア増やしたいと思っていましたが、エンジニア採用が全然できなく。エンジニアを採用できるようになったのは上場してからです。

T : じゃあ相当上場の価値があったってことですよね。

Y : ありましたね、当社の場合は。

注目されるコト消費と、その普及タイミング

T : 私達2社の特徴として、アナログに攻めていることに加え、コト消費に注力していることも共通していますよね。家族アプリFammも両親への親孝行に使うコト消費を中心に、事業が伸びています。

Y : まさしく現在、当社は一言で言うとコト消費のワンストップ型プラットフォームを目指しています。現在、当社の事業は男女のマッチングをサポートするものですが、マッチングした後のサポートが今まではありませんでした。パートナーを見つけて頂けたらすごく幸せですが、当社の思いとしては、パートナーを見つけた後も、結婚した後もずっとサポートさせて頂きたいということです。それをコト消費のプラットフォームにより実現できると考えています。

T : コト消費って僕らも良いなと思ってまして、もう少しそのやり取りとかが増えれば確実に世の中に信じれることができるといのはやっぱりすごい大きいなと。僕らもそういうところに共感して、サービスを始めた側面はあります。

Y :男女のマッチングや出会いが最後でなく、そこからの長い人生をずっとサポートをさせて頂きたいと考えている中で出会ったのがPairyさんでした。出会う時にはmachicon Japanで、出会ったらPairyさん、Pairyさんを使って頂いたら今度は当社のコト消費コンテンツで生活のサポートをさせて頂きたいという思いがあります。

T : 僕らもコト消費に共感しているからこそお聞きしたいんですが、コト消費の普及のスピード感ってどう見てますか?僕らはそのコト消費が時代感的にもっと早く来ると思っていた部分はあったんですけど、実際にはスピードが少し遅かったなっていうのは正直あるんですよね。例えばLINEで送るギフトとか、すごく素敵だなと思っているんですけど、普及の度合いってまだちょっというほどマスを超えていない感じ。やっと最近になってフィンテックで送金ってなってあの流れからチャットに色々送るという文脈が増えて、次プレゼントとかギフトを送る流れが盛り上がってくれれば良いなと思っているんですけど。当初の6年前の想定より流れが遅かったなって思っていて。例えば体験ギフトとかもそうですし、そういう系のサービスって伸びてはいるけど爆発してないというか。そこのスピード感って今どう見られて良いるんですか?

Y : そうですね。当社が考えているコト消費の領域は結構広いと思います。例えば体験や英会話、ヨガを習うとか旅行に行くとか、様々なコトが数多く世の中にありますが、それらは特に当社のユーザーの20〜30代の方たちが遊びでもデートでも使えますし、付き合っても使えるし、結婚した後でも使えます。それを考えると、日常にあるものがコト消費だと思っています。ただ当社がコト消費のプラットフォーマーというとビジネス的な感じに聞こえてしまいますが。ただ課題感としては、やはり色々なサービスを利用するときに、ぞれぞれのサイトで住所などの個人情報を登録して決済情報も入れることです。今、コト消費の領域は数多くのサイトがありますが、それぞれのサイトで登録し決済情報も入れなくてはいけない。そこで当社がワンストップで様々なサービスを提供できるようになれば、もっともっとコト消費へのハードルが下がると思っています。そのインフラが整ってなかったことが、当社がコト消費のワンストップ型プラットフォームを提供したいと思った始まりです。

T : そのインフラが整って、その波が来るんじゃなかってことですよね。僕らの家族アプリFammでは、「自動編集」を一つキーワードにおいてまして、まさしくそのコト消費のハードルを徹底的に下げることに注力しています。例えば、子供の写真をアップロードするにも機械学習で子供やペットの写真を自動検出してくれますし、事前に入力した家族の誕生日情報を活用して、適切なタイミングで色々なコト消費を訴求しています。おじいちゃんおばあちゃんの誕生日に花束送りませんか、クリスマスに送りませんかとか、親戚のこの人誕生日ですよね花束送りませんかとか今色々やっているんですけど、そういう世界をより作れたら良いなと思っているんですよね。

Y : いいですね。あとあるとすれば、テクノロジーの普及でこれからもっと人の時間が空くと思います。働き方改革などもそうですが。それがコト消費の需要を更に大きくするのではないかと思っています。例えば事務作業など、色々なことがテクノロジーでシステム化されてきていますよね。これからテクノロジーやロボットなどが発達した先には人間が週5日、朝から夜まで働く必要がなくなる時代が来ても良いかなと思いますし、来て欲しいなと思っています。人間の歴史を見ると食べるために労働するとか、生きるために労働するという時代がありました。今もそれに近いところがあるのかもしれないですけれど。それがテクノロジーやロボットで置き換わった時に、人の時間がもっと空き、余暇や趣味などもっと仕事以外に時間を使える。学ぶ欲や自己達成欲などにもっと時間が使えるようになる。そんな世界が来て欲しいと思いますね。

T : その自由に使える時間が増えた時に、家族に使う時間もより長くなっていくでしょうね。

街コンで創出したカップルをPairyに繋げ、コト消費のプラットフォームを目指す

T : 最後に、改めて今後の事業展開について聞かせてください

Y : 改めて、当社はコト消費のプラットフォームを作っていきたい。その思いは、自分のモットーである「経験それが人生。」にあります。色々な経験をすることが人生の意味みたいなことを20代に思いました。色々な経験や体験、学びの機会などをもっともっと世の中に広めていきたいと思っています。当社のサイトを通してもっともっと多くの方にコト消費を身近に感じてもらい、使って頂きたい。そのためにはインフラの整備だと思うので、ワンストップ型のプラットフォームを作ってよりコト消費へのハードルを低くしたいと思っています。日本国内で、その次世界を見据えて展開していきたいと思っています。

T : 僕らは家族アプリFammの方が、子供ができた瞬間にいろんな課題がユーザーさんに持っていて、それは今やっている写真、思い出をどう残すのか、バックアップどうするのか、どうやって物にするのか、親孝行はどうするのか、子供の教育は?保険は?とか、そのいろんな課題をトータルで解決してあげるプラットフォームとして進化をしようとしていて。1年前はカレンダーの印刷のみだったんですけど、今は撮影会を全国でやったりとか、DVD作れたり、誕生日を祝う装飾できるようなボードができたりとか、そこなら他社さんとも提携をしながらプラットフォームとしてどんどん大きくしていく、子供、子育向けのECとして大きくなっていく事が僕の一番の大きな展望ですね。それを今グローバルでもできたらと思っています。本日はありがとうございました。

 

Timers inc.