見やすい社内資料の作り方|作成のコツとチェックポイントを解説
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見やすい社内資料は、ビジュアルや構成など作り方のコツやポイントがあります。
社内資料はプレゼンや会議、研修などで情報を的確に伝え、読み手にアクションを起こさせる重要なツールです。手順を知って見やすい資料を効率良く作成したい方は多いのではないでしょうか。
本記事では見やすい社内資料を作る手順やコツ、ポイントを解説します。PowerPoint資料の見本も紹介するので、見やすく伝わりやすい資料作りの参考にしてください。
この記事でわかること
- わかりやすい社内資料とわかりにくい社内資料の違い
- 社内資料の作成前にやるべきことと作成後のチェックポイント
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社内資料とは
はじめに社内資料の概要を解説します。
- 社内資料の目的
- 社内資料の種類
社内資料の目的
社内資料とは、企業内で情報を共有、伝達、または記録するために作成される資料のことです。
社内資料には以下の目的があります。
- 社員間でのコミュニケーションを効率化し、業務の透明性を高める
- 特定のメンバーや組織全体で情報を共有・理解する
- 相手の行動を喚起する
社内資料を作成する際は、読み手に伝わりやすい構成や書き方が求められます。具体的には図解やグラフ、デザインなどを適切に活用し、相手の行動喚起に結びつける工夫が必要です。
社内資料は従業員間でのコミュニケーションを円滑にし、業務の透明性を高めるために重要な役割を担っています。
社内資料の種類
社内資料には以下の種類があります。
資料の種類
記載事項
会議資料
会議の議題、議論すべきポイント、会議の決定事項や議事録
プロジェクト計画書
新規プロジェクトの目標、スケジュール、予算、関係者
報告書
プロジェクトの進捗、業務成果、市場調査の結果、研究結果報告
社内通達
方針や規律などの変更事項、重要な連絡事項など※全従業員向けに簡潔にまとめたもの
業務手順書
トレーニングや業務標準化のために業務プロセスや手順を記載
研修資料
研修用スライド、教育動画の脚本など
研修資料や会議資料は流れやストーリーが求められる一方で、社内通達はスピードと簡潔さが求められます。
資料の目的によって構成が異なるため、適切な書き方をマスターすることが大切です。
わかりにくい社内資料の特徴
わかりにくい社内資料には以下の特徴があります。
- 構成が整っていない
- ページが記載されていない
- 1ページの情報量が多すぎる、または少なすぎる
- 誤字脱字や専門用語が目につく
- 装飾や色が多すぎる
- グラフがデフォルトのまま調整されていない
- 改行や行間が適切に設定されていない
- オブジェクトの配列がそろっていない
一つずつ見ていきましょう。
構成が整っていない
構成が整っていない資料は、読み手に内容が伝わりにくいです。
情報が整理されておらず、全体を通して論理的な流れができていないと、読み手に資料の意図や目的が伝わりません。
例えば 予定外のプレゼンが入り急遽資料を作成した場合や、複数人で合議して作成した場合などでは、資料が単なる情報の羅列になりがちです。
単に情報が並んでいるだけでは、読み手に「何を伝えたいのか」がわかりにくく、読み手の行動喚起は難しいでしょう。
ページが記載されていない
紙ベースの資料にページが振られていないと、読み手は見たいページを探すことが難しく読みにくさを感じます。会議資料や報告書にページが書かれていなければ、読み手は元のページに戻りたくても戻れず、会議の流れも止まってしまうでしょう。
資料作成時に内容に集中するあまり、ページの記載は忘れがちなため注意が必要です。
1ページの情報量が多すぎる、または少なすぎる
1ページの情報量が多すぎるか少なすぎる場合も、読み手に内容が伝わりにくくなります。
文章量が多すぎたり、図形やグラフを過度に使用すると、ページに多くの情報が詰め込まれるため、重要なポイントが埋もれてしまいます。
一方で1ページの情報量が少なすぎても、資料として用をなさなくなる場合があります。
例えば、 会話で補足する前提で内容を省略すると、資料をもとに後日関係者に説明する場合や、稟議に添付する場合に内容を把握するのが困難になります。
情報量が適切でない資料では相手に伝わらない可能性が高いでしょう。
誤字脱字や専門用語が目につく
誤字脱字や専門用語の多用も資料の内容を伝わりにくくさせる要因の一つです。
たとえ資料の体裁が整っていても、誤字脱字が多いと読み手の集中力が散漫になり、内容がスムーズに入ってこなくなる恐れがあります。
また、専門用語の多用も資料が読みにくくなる要因です。一部の読み手は領域に詳しくても、すべての人が同程度の知見を持っているとは限りません。
正しい日本語や読み手の理解度に配慮しない資料はわかりにくいため、誤字脱字や専門用語の多用は減らしましょう。
装飾や色が多すぎる
使用する色や装飾が多すぎると、資料がわかりにくくなることがあります。
文字色を頻繁に変えたり多くの色を使いすぎると、伝えたいポイントがかすんでしまいます。また、図形に過度な虹彩や影、反射、3Dなどのエフェクトを施した場合も、読み手の注意が散漫になり、内容が伝わりにくくなる可能性があります。
フォントのサイズや装飾、太さの不適切な選択も資料の視認性や可読性を下げる要因の一つです。
プレゼンテーション資料のようにアピールが必要なケースでも、過度な装飾は逆効果です。
グラフがデフォルトのまま調整されていない
グラフを調整せず、デフォルトのまま使用した場合も資料が見づらくなります。
未調整のグラフで起こりがちな不具合は以下の通りです。
- グラフタイトルが小さすぎる
- 目盛の間隔が狭すぎる
- データラベルが重なり合っている
Excelの図表を使用する際に縦横幅を狭めすぎたり、色のコントラストが不適切な場合も、視覚的に区別がつきにくくなり、情報伝達の妨げとなります。
グラフの編集を怠ったために、伝えたいデータが正しく伝わらないケースは少なくありません。
改行や行間が適切に設定されていない
改行や行間設定が適切に行われていない場合も、資料が読みにくくなります。
PowerPointで適切に改行や行間設定を行っていない例は以下の通りです。
- 初期設定のままで行間が詰まっている
- 本文と箇条書きの行間が同じ
- 複数言語で記載する場合、言語に合わせた行間が設定されていない
- 図表中の文章が改行されていない
適度な空白のない資料は読み手にストレスを与えてしまい、内容が頭に入りにくくなるでしょう。
オブジェクトの配列がそろっていない
オブジェクトの配列がそろっていない場合も、資料の内容が伝わりにくくなります。
これは、オブジェクトのズレは読み手に視覚的な違和感を覚えさせ、集中力が散漫になりやすいからです。
また、スライド上でオブジェクトが乱雑に配置されている場合は、読み手はどの順番で読めばよいのか迷ってしまいます。関連性のあるオブジェクト同士が離れて配置されている場合も、読み手が内容を把握しづらくなります。
社内資料を作成する前にやるべき7つのこと
社内資料を作成する前にやっておくべきことは以下の7つです。
- 資料の目的を明確にする
- 全体の構成を決めておく
- 誰に・何を・どのように伝えるか明確にする
- 読み手に与える影響(ゴール)を考える
- PREP法で論理的に解説する
- 冒頭と各区切りに目次を付ける
上記の準備をしておかないと、せっかく作った資料が作り直しになる可能性が高いので、確実に押さえておきましょう。
資料の目的を明確にする
資料を作成する前に、読み手に何をどう伝えたいのか、目的を明確にすることが必要です。
社内資料の役割は相手に行動を促すことであり、単なる情報提供ではありません。目的が明確でないまま情報を羅列しても、伝えたいことがわからない資料になってしまい、読み手も何をすべきか判断できないでしょう。
資料作成前に目的が明確になっていれば、作成の過程で方向性のズレが生じにくくなります。
全体の構成を決めておく
社内資料の目的が定まったら、構成を決めておきましょう。
例えば新規プロジェクトについて話し合う会議の資料の場合は、以下のような構成を組み立てます。
構成
内容
導入
会議の背景や目的(簡潔に)
会議の目的
会議で達成したい具体的な目的やゴール
解決したい現状の課題
現在の問題点や課題をデータや事実に基づいて提示
提案と解決策
課題の具体的な提案と解決策
実行計画
提案した解決策を実現するためのステップ
結論
相手に求めるアクションの提示
実際の会議の進行やプレゼンテーションをイメージし、参加者の意図や立場を想定して構成を作成しましょう。
誰に・何を・どのように伝えるか明確にする
目的と構成が明確になったら、誰に(Who)・何を(What)・どのよう(How)に伝えるかを明確にしておきましょう。
上記が明確でないと、伝えたいことがわからない資料になってしまいます。読み手にどう行動してほしいのか、資料の狙いを明確にすることが必要です。
- 特定の行動を取らせたいのか
- 読み手に意思決定を促したいのか
- 結論に賛同してもらいたいのか
相手に何を求めるのか、どのように伝えるのかがはっきりしていれば、資料の構成が整理され、相手に伝えたいメッセージが届きやすくなります。
読み手に与える影響(ゴール)を考える
読み手に理解してもらいたいことが明確になったら、読み手にどうなってほしいのか、どう感じてほしいのか、相手に与える影響(ゴール)を考えておきましょう。
相手の感じ方を想定しておけば、ゴールから逆算して相手に行動を促す導線を作れます。
例えば、あるツールの導入を社内にプレゼンする場合を考えてみましょう。
- このツールを導入することで事務作業を効率化できる
- 経費節減にもつながる
- したがって導入によって得られる効果は高い
導入がどれほど自社のためになり、どのような効果が期待できるのか、道筋を建てることで、相手にアクションを起こす動機を与えることが可能です。
さらに「検討してください」といったあいまいな表現よりも「〇〇(いつ)までに回答をお願いします」と、具体的な行動を示唆する工夫も効果的です。
想定する読み手のゴールをイメージしておくと、後の資料作成がスムーズになります。
PREP法で論理的に解説する
論理的な資料を作るうえでは「PREP法」に沿った構成を作ると効果的です。
PREP法とは「結論」「理由」「具体例」「結論」の流れで話を論理的に展開する方法です。
- Point:結論
- Reason:理由
- Example:具体例
- Point:結論
報告やプレゼンテーションにPREP法を使うと、要点を抜け漏れなく簡潔に解説できるメリットがあります。
PREP法は構成作成時と見直し時の両方で活用できます。資料が伝わりにくいと指摘された経験がある方は、PREP法に当てはめて内容を見直すとよいでしょう。
冒頭と各区切りに目次を付ける
資料の本文を作成する前に、構成段階で冒頭と各区切りごとに目次を設置しておきましょう。
冒頭に目次があれば、読み手が資料全体の流れと概要を掴みやすくなります。また区切りごとに目次を設置することで、読み手にとって内容が切り替わっても、今どの部分を読んでいるのか容易に把握が可能です。
資料の作成者自身にとっても、目次を設置する過程で内容の要否を判断しやすくなるので、本文に着手する前に目次を作っておくことをおすすめします。
見やすい社内資料の作り方
見やすい社内資料を作るためのポイントは以下の通りです。
- 1スライド1メッセージの原則を守る
- レイアウトを統一する
- フォントを統一する
- 装飾を適度に使用する
- 色は3色までに抑える
- 図やグラフは調整し適切に使う
- オブジェクトの位置をそろえる
- 適度な余白や行間を設ける
- アペンディックス(別添資料)を作成する
一つずつ見ていきましょう。
1スライド1メッセージの原則を守る
社内資料作成は「1スライド1メッセージ」が原則です。
多くの情報を詰め込むと可読性が下がるだけでなく、要点があいまいになり読み手の理解を妨げてしまいます。
例えば1つのスライドに「目指す理想」「課題」「解決策」の3点を盛り込んだ場合、解決策だけに目が行き、序盤の話しに集中できなくなる可能性があります。
そのためスライドの情報量を絞ることが大切です。また文章作成時に以下のチェックを行うと、スライドがよりシンプルで見やすくなります。
- 意味の重複した言い回しはないか
- 必要のない余分な情報まで記載していないか
画像についても過剰に盛り込むことを避け、読み手の注意力が散漫にならないビジュアルを意識しましょう。
レイアウトを統一する
資料全体に一貫性を持たせ可読性を高めるためには、スライドのレイアウトを統一することも大切です。
余白の有無や文章の体裁、デザインがスライドごとにバラバラでは読み手にストレスを与えてしまうため、統一されているか確認しましょう。
画像の縦横比については、元の画像のままで変更しないほうが無難です。縦横比を変えると画像が歪み、見た目が悪くなってしまいます。
どうしても調整したい場合は、画像ソフトやPowerPointの「重なり抽出」などを活用し、トリミングを行うことをおすすめします。
フォントを統一する
資料作成時はフォントにも統一のルールを設定しましょう。
可読性の観点からはゴシック体やメイリオが推奨されています。一方、明朝体は細い部分の可読性が低くなるため、PowerPointでは基本的におすすめできません。
なお原文をコピー&ペーストした際に、他の箇所とフォントが異なってしまうケースがあるので「書式なしで貼り付け」でペーストするなどの工夫が必要です。
また、資料を広い研修会場や会議室で使用する場合には、後方の席からでも見えるフォントサイズ(18pt以上)で作成するなど、フォントサイズにも留意しましょう。
装飾を適度に使用する
スライドに適度な装飾を施すと資料が見やすくなります。
強調したい部分のみに限定し、以下の方法で積極的に装飾を行いましょう。
- 太字
- 着色
- サイズ変更
- 書体変更
- 下線
例えば、小見出しのフォントを大きくしたり太くしたりして目立たせれば、文章にメリハリがつくので効果的です。
ただし過度な装飾は資料の統一性を欠く原因となります。複数の手法を併用しても資料が読みづらくなる場合が多いので、装飾のパターンはなるべく統一しましょう。
色は3色までに抑える
資料に使用する色は3色に抑えることが基本です。
例えば背景色が白の場合、文字色とメインカラー、アクセントカラーの3色に絞ると資料が見やすくなります。逆に多くの色を使うと情報の重要度を見分けにくくなり、見る人の混乱を招いてしまいます。
また、アクセントカラーの使い過ぎも強調ポイントがあいまいになる原因です。アクセントカラーにはメインカラーの「補色」を使い、注意を引く箇所だけに絞って使用しましょう。
少ない色で文章にメリハリを付けたい場合は、色の彩度や明度を調整するのも方法の一つです。
図やグラフは調整し適切に使う
伝わりやすい資料を作るためには、図解やグラフを適度に使うことがポイントです。
テキストのみの説明よりも図解があるほうが、読み手は内容を直感的に理解できます。また、グラフの数値でエビデンスを提示すると資料に説得力を与えられます。
例えば「このツールを導入してください」と結論のみを伝えたところで、相手がアクションを起こす動機にはつながりません。
しかし「〇%の企業が効果を実感している」「導入後に作業時間が〇%削減」など、根拠のデータを付け加えることで結論を裏付けられ、説得力が増します。
また、情報量が多いと読み手にストレスを与えるので、グラフ情報はシンプルに抑えることが大切です。グラフはデフォルトのまま使用せず、文字間に適度な空白を設けるなどの調整を行いましょう。
適切なグラフの選び方、グラフや図形の加工の仕方を習得するだけで資料のアピール力が大幅にアップします。
オブジェクトの位置をそろえる
テキストや図解・グラフ、画像などのオブジェクトは位置をそろえて配置しましょう。
わずかなズレが不快感を生み、ストレスになるケースも少なくありません。
オブジェクトの上下・左右の配列がずれていると印象が悪いだけでなく、読み手にとって読む順番が分かりにくくなってしまいます。
PowerPointの配列機能「上下に整列」「左右に整列」を活用すれば、オブジェクトを均等間隔で配置できるので試してみてください。
テキストも図形化することで配置機能で自在に並べられるようになり、資料が格段に見やすくなります。
適度な余白や行間を設ける
オブジェクトの配置と同様にテキストの見た目にも気を配り、文章に適度な余白を設けることが大切です。
枠線内に余白がないと重要なポイントを把握しづらくなります。また文章内の改行が少なすぎても窮屈な印象を与え、読み手にストレスが溜まる原因となります。
同様に図形内のテキストにも余白を設けましょう。図形内の余白は「図形の書式設定」から設定が可能です。
なおスライド間で統一した位置に図形やテキストボックスを配置したい場合には、PowerPointの「ガイド機能」を使うと効率良く配置できます。
アペンディックス(別添資料)を作成する
本編で説明するほどの重要性はないものの、補足資料やエビデンスとして掲載したい資料は「アペンディックス(別添資料)」として巻末に添付しましょう。
以下の情報を資料の本編ではなくアペンディックスに入れると、資料全体が引き締まると同時に説得力が増します。
- 統計データ・根拠データ
- 研究・調査結果
- 関連資料・文献データ
- 補足情報
アペンディックスの情報はプレゼンテーションや会議の後の質疑応答および、資料を持ち帰った後の振り返りにも活用できます。
資料の重要なポイントを際立たせるためにも、参照データは本編に盛り込まず別添とすることが適切です。
社内資料作成の流れ
社内資料を作成する流れは以下の通りです。
- 全体の構成を決める
- 構成に基づき資料を作成する
- 最終チェックを行う
一つずつ確実にステップを踏んで資料を作成しましょう。
1.全体の構成を決める
構成の段階ではまだPowerPointを使用せず、手書きやWordで作成するのがおすすめです。デザインを考える前に、以下の手順で資料全体の流れを決めてしまいましょう。
構成を決める手順
内容
1.論点を書き出し全体を設計する
論点を書き出し全体の骨子を設計
- 各スライドのタイトル
- 各スライドの概要
- ページ数
2.主張の裏付けを用意する
主張の理由や具体例を収集
3.情報を構造化する
見出し(メッセージ)ごとに情報をピラミッド型に階層化
4.メッセージをスライドごとに分解する
構成の情報を「1スライド1メッセージ」の原則に従い、スライドに分解
5.第三者のチェックを受ける
第三者のフィードバックをもらう
はじめに目次と概要レベルで論点を書き出すと、スライドの作成前に記載する情報が必要かどうかを整理できます。
資料の骨子が固まったら、主張を裏付ける理由や具体例を収集しましょう。
- 自社管理データ
- データバンクなどのオープンデータ
- 事例
情報を構造化する際には、ピラミッドの最上位に総括、下に詳細、さらに下に補足情報となるよう、以下のポイントに留意しながら行います。
- 同じ階層同士の粒度をそろえる
- 各階層の情報量のバランスを取る
構造化された構成の情報を「1スライド1メッセージ」の原則に従い、スライドに分解しましょう。
そして構成の完成時点で第三者のフィードバックを受けられれば、見落としていた情報の抜け漏れや重複、論理の矛盾にも気づけます。
2.構成に基づき資料を作成する
構成に沿って情報を文章化し、デザインを加えて資料を作成します。
まずは文章で資料の流れを作ります。実際のプレゼンテーションや会議をイメージしながら、スライド1枚1枚を言葉化すると良いでしょう。
文章が完成したらスライドのデザインに着手します。見やすさ・わかりやすさを重視し、必要に応じて画像や図解、グラフを挿入しましょう。
テキストだけでは理解が難しい情報は、ビジュアル要素に置き換えていくことも大切です。
3.最終チェックを行う
資料がひととおり完成したら、以下のポイントで最終チェックを行いましょう。
- 誤字脱字がないか
- スライドの順番は合っているか
- 資料の作成目的に沿っているか
- 想定読者全員に理解できる内容か
上長や現場従業員など、第三者のチェックも受けられると、より伝わりやすい内容にブラッシュアップが可能です。なお完成後のチェックポイントの詳細は次項で解説します。
社内資料作成後にチェックすべき7つのポイント
社内資料が完成した際には、以下のポイントで最終チェックを行うことが大切です。
- 誤字脱字・情報の誤りはないか
- 表紙には必要な情報が書かれているか
- 1スライドの情報量が多すぎないか
- ビジュアルやフォントは見やすいか
- ページ数が入っているか
- 進行しやすい構成になっているか
- 「5W2H」が盛り込まれているか
会議やプレゼンテーションの前に確実にクリアしておきましょう。
誤字脱字・情報の誤りはないか
誤字脱字や情報の誤りがないか、改めてチェックしましょう。
誤字脱字程度の些細なミスであっても、読み手にとっては目についてしまうと肝心な内容が入ってこない場合があります。また専門用語が正しい意味で、適切に使用されているかについても確認が必要です。
同様に、データの誤りなども回避しなければなりません。会議やプレゼンテーションでは自社の大きな意思決定を促すケースもあります。正確なデータが記載されているか再度確認しましょう。
表紙には必要な情報が書かれているか
表紙に以下の必要な情報が記載されているかどうかについても、再度確認しましょう。
- 会議名・プレゼンテーションの件名
- 開催日時
- 資料作成者
上記を記載しておくことで、主催者が複数人いる場合や数回修正を行った場合でも、いつ・誰が情報を記載・改修したのかがわかります。
作成した社内資料が保存された後、改修して再利用されるケースも想定し、初版・第何版などがわかるよう明記しておくことも大切です。
1スライドの情報量が多すぎないか
資料作成後は、1スライドの情報量が多すぎないか確認が必要です。
資料作成中は、情報の抜け漏れがないよう網羅しようとしがちです。しかし説明が多すぎると、読み手に伝えたい情報が伝わらなくなってしまいます。
テキストの説明だけでなく、図解の量や表示の仕方についても適切かどうか、画像や図解を追加したことでかえって理解を妨げていないか、再度チェックが必要です。
作成した資料を読み手の視点でいったん見直し、情報量をチェックしましょう。
ビジュアルやフォントは見やすいか
資料の内容だけでなくビジュアル面の見やすさもチェックが必要です。
資料の作成中は伝わりやすいと感じても、客観的に見ると不足や過剰な要素があるかもしれません。
資料のビジュアルから受ける印象は、読み手の注意力や記憶の定着にも大きく影響します。余白や改行、フォントのサイズなどについて、読み手の目線から伝わりやすさを再度チェックしましょう。
ページ数が入っているか
資料にページが振られているかどうかも改めてチェックしましょう。
紙の資料でなくスライドを作成するケースでは、ページを振るのをつい忘れてしまいがちです。会議やプレゼンテーションで現在どこを説明しているのか、参加者が判断できるようページは必ず振っておきましょう。
説明者側でも「〇ページを参照してください」「〇ページで説明した通り」と流れを作りやすくなり、参加者の理解促進につながります。
進行しやすい構成になっているか
資料全体を通しての構成が適切か、進行しやすい構成になっているかについても確認しましょう。
例えば、自社の特定の課題解決の会議の場合、以下の流れで資料が作られていると、会議を進行しやすくなります。
- 会議の目的
- 課題
- 解決策(効果)
- 結論
会議(プレゼンテーション)の目的が共有されやすく記されているか、課題と解決策がグラフや図表で適切に視覚化されているかをチェックします。
最後に、大切な結論を強く印象付けられるか確認しましょう。
「5W2H」が盛り込まれているか
会議資料やプレゼンテーション資料は、完成時に「5W2H」が盛り込まれているか確認しましょう。
- When:いつ
- Where:どこで
- Who:誰が
- Why:なぜ
- How:どうやって
- How much:いくらで
5W2Hとは情報伝達に使われるフレームワークで、生産性や費用対効果を表す際に用いられます。課題の解決策を提案する場合には、通常の「5W1H」に予算を加えることで、明確な数値を示し、相手に具体的な検討材料を提供できます。
5W2Hで数値を明確に示した資料は、読み手にアクションを起こすきっかけを与えることが可能です。
社内資料の作り方の参考になるスライド5選
ここでPowerPointで社内資料を作成する際に参考にできるスライドを5つ紹介します。
- 株式会社リクルート
- 株式会社日本経済新聞社
- 株式会社MIXI
- 株式会社サイバーエージェント
- ウォンテッドリー株式会社
それぞれ特色があるので取り入れてみてください。
株式会社リクルート
引用:株式会社リクルート「ソフトウェアエンジニアとしての姿勢と心構え」
株式会社リクルートでは、新卒エンジニア向けの社内研修資料の一部を一般公開しています。
研修資料は1スライド1メッセージの基本に徹し、構成や内容については過去の受講者のフィードバックを受け、ブラッシュアップしているそうです。
スライドではゴシック体をメインに、偉人の名言の引用には色分けした明朝体を使用し印象付けるなどの工夫が見られます。時折講師の交える雑談も、受講生には好評のようです。
株式会社日本経済新聞社
引用:株式会社日経新聞社「プロダクトマネジメントとは[新卒研修]」
株式会社日本経済新聞社でも、新卒者向け研修資料を公開しています。
研修スライド「プロダクトマネジメントとは」は構造化に優れ、テキスト(見出し)から詳細へリンクされ、疑問点や内容を深掘りできる仕組みになっています。テキストメインでイラストや画像は最小限であるものの、好奇心を持って学ぶことが可能です。
同資料も1スライド1メッセージで構成され、十分な余白が設けられているため、観る者にストレスを感じさせない点が秀逸です。
株式会社MIXI
引用:株式会社MIXI「テスト・設計研修【MIXI 23新卒技術研修】」
予約アプリやゲームなどの事業を展開する株式会社MIXIでも、新卒技術者向けの研修資料を公開しています。
新卒技術者向け研修資料「テスト・設計研修」では、新人技術者が抱くであろう疑問や心理的不安を、親しみやすい表現で言語化しています。
白い背景の1スライド1メッセージで、先輩技術者からの呼びかけから始まる平易な言葉で課題解決のスタンスなどについて解説しているので、新卒者にとっても親しみやすいでしょう。
全体的にフォントやビジュアルに凝りすぎず、メッセージをシンプルかつダイレクトに伝えている点が特徴的です。
株式会社サイバーエージェント
引用:CyberAgent AI事業本部「MLOps研修Container編 / Container for MLOps」
インターネット広告やゲーム事業を運営する株式会社サイバーエージェントではAI開発者向けの研修資料を公開しています。
「MLOps研修Container編」は、実際に手を動かして学べるハンズオン形式を取り入れていることが特徴です。所々に仕組みの解説を挟み、Docer環境における機械学習のライフサイクル全体のプロセス自動化・標準化を体系的に学習できます。
実際のコーディング画面を想定した背景色で、複数色のマーカーを駆使し、コーディングの手順をわかりやすく表示している点が印象的です。
ウォンテッドリー株式会社
引用:Wantedly「リーダーとつきあうための冴えたやりかた / Managing Your Leader」
人材と企業のマッチングプラットフォームを運営するウォンテッドリー株式会社でも、新卒研修の資料を公開しています。
研修スライド「リーダーとつきあうための冴えたやりかた」では、同社でのリーダーとのかかわり方を感覚的に理解できるよう、キャッチーなイラストや図解を駆使しています。
テキストの多めなスライドでは一文を短くし、漢字が連続しないようわざと開くなどの配慮も伺え、適度に問いかけを交えている点にも新卒者への気遣いを感じさせます。
社内資料作成をスピードアップする4つの作り方
社内資料作成に時間がかかり悩んでいる方に向けて、資料作りをスピードアップするコツを紹介します。
- フォーマットを用意しておく
- ツールやソフトの操作をマスターする
- デザインのルールを決める
- 資料作成をアウトソーシングする
それぞれ見ていきましょう。
フォーマットを用意しておく
資料作成をスピードアップするには、資料のフォーマットを用意しておくことがおすすめです。
フォーマットを作れば構成やデザインに悩む時間を大きく削減できます。社内資料は目的によって大体の流れや型が以下のように決まっているので、参考にしてください。
目的
資料の流れ
課題解決
- 目的
- 課題
- 解決策
- 結論
提案
- 結論
- 問題提起
- 解決策
- 安心・信頼情報
- 具体的な行動案
依頼
- 描写:解決すべき問題の現状に関する客観的描写
- 表現:描写に対する主観・主張
- 提案:具体的な解決策の提案
- 選択:提案を受理できる場合・できない場合の行動選択
上記に従ってフォーマットを作成し、フォントや色、オブジェクトのおおまかな配置などのデザインもテンプレート化しておくと、さらに効率的です。
ツールやソフトの操作をマスターする
資料作成のスピードアップには、ツールやソフトの操作スキル向上が欠かせません。
PowerPointなどの操作に迷いがあると、手が止まると同時にアイデアも滞ってしまいます。しかしPowerPointの豊富な機能やショートカットキーを駆使することで、イメージ通りのビジュアルに仕上げながら作業時間の大幅な短縮が可能です。
例えばテキストからSmart Artへ変換できるようになると、組織図やピラミッド図、フローチャートなどもスピーディーに作成が可能です。
ツールの操作スキルを定期的に磨くことで、作業効率と品質を同時に高められます。
デザインのルールを決める
デザインのルールを決めておくことで、資料作成の大幅な時間短縮につながります。
資料にはデザインの一貫性が欠かせません。以下のようにデザインの基本的なルールを設定しておきましょう。
- デザインテンプレートの作成
- フォントのサイズ・種類の統一
- 色のパレットの統一
- 画像スタイルの統一
- 流用できるパーツの保存
デザインテンプレートの全体最適を行えば、デザインを一カ所ずつ調整せずに済み、修正作業の工数と時間の削減が可能です。
資料作成をアウトソーシングする
社内の資料作成スキルが不足している場合は、資料作成業務をアウトソーシングすることも一つの方法です。
アウトソーシングとは、社内の業務を外部に委託することです。アウトソーシング会社には専門スキルを持つ即戦力の人材がそろっており、以下のような業務を委託できます。
- 企画構成からの新規資料の作成
- 既存資料の調整・アップデート
業務に必要な人材を新たに採用すると、給与や社会保険などが固定費化してしまいますが、アウトソーシングなら必要な工数や時間数に応じて柔軟に調整できる利点もあります。
社内人材が多忙で資料作成に時間を割けない場合や、スキルが不足している場合には、アウトソーシングを検討してみるとよいでしょう。
見やすい社内資料を作成しプレゼンを成功させよう
社内資料をわかりやすく作成するには、事前準備が不可欠です。事前に誰に・何を・どう伝えたいかを明確にし、構成を組み立ててから資料を作成しましょう。
適切な情報量や装飾、オブジェクトの配置にも配慮が必要です。PowerPointなどのソフトやツールのスキルを習得することで、資料の品質向上と作成の効率化につながります。
見やすい社内資料を迅速に作成したい場合は、アウトソーシングがおすすめです。Fammアシスタントオンラインなら、経験豊富なハイスキル人材を初月40,000円からの料金で活用できます。
外部サービスも上手に活用し、社内資料の品質向上と作成効率化を実現しましょう。
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