総務BPOとは|メリットと事例・導入の流れや成功のポイントも解説
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総務BPOとは、業務改善などの目的で総務業務をプロジェクト単位で外部に委託することです。
総務部門は業務範囲が広いうえ、事業拡大や組織変革などによって業務量はますます増加傾向にあります。
総務BPOを活用しノンコア業務を委託すれば、自社の従業員は企業の戦略的なコア業務に専念できます。
本記事では総務BPOのメリット・デメリットと導入に成功するポイント、導入の流れを解説します。導入成功事例も紹介するので、自社の業務改善の参考にしてください。
この記事でわかること
- 総務BPOのメリット・デメリットと導入成功のポイント
- 総務BPO委託先の選び方と導入ステップ・事例
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総務BPOとは
はじめに総務BPOの基本を解説します。
- 概要と目的
- アウトソーシングや人材派遣との違い
概要と目的
総務BPO(Business Process Outsourcing)とは、総務業務を外部業者に委託することです。
主に業務改善を目的として、企画・業務設計から実行まで、専門性を必要とするプロジェクトを丸ごと外部業者に委託することが特徴です。具体的には、以下のプロセスを請け負います。
- 対象業務の現状把握
- 課題設定
- 改善策の策定・実行
- 業務遂行
- 管理・PDCA
総務の定型業務にBPOを導入することで、社内のリソースを削減できるだけでなく、業務プロセスの改善による生産性向上も期待できます。
アウトソーシングや人材派遣との違い
BPOとアウトソーシングの違いは以下の通りです。
BPO
アウトソーシング
委託する業務の範囲
業務プロセス一括
(判断・マネジメントまで)
一部業務
目的
業務効率化・改善
人材不足の解消
委託期間
中長期的
(プロジェクト終了まで)
一時的な場合が多い
アウトソーシングは、業務遂行を目的とした人手不足を補う一時的な委託の場合が多いです。一方BPOは、業務改善を目的としてプロセスの見直しまでを一貫して委託する点が異なります。
続いて、BPOと人材派遣の違いは以下の通りです。
BPO
人材派遣
委託する業務の範囲
業務プロセス一括
※判断・マネジメントまで対応
単一業務、業務の一部
※指示系統は派遣元
目的
業務効率化・改善
人材不足の解消
採用・育成コスト
不要
※採用・育成はBPO事業者が行う
必要
※人員交代の都度発生
異動・退職リスク
なし
あり
※引継コストが発生
人件費コスト
人件費としては発生せず
以下が発生
- 給与
- 派遣元会社へのマージン(法定福利費・福利厚生費・販管費見合いなど)
派遣契約の派遣会社はスタッフの派遣のみを行うのに対し、BPOはスタッフの採用から教育、労務管理まで一貫して行い、業務品質の責任も負います。
人材派遣は指示系統が派遣先企業にある一方で、総務BPOは業務プロセスごと請け負うため、指示系統がBPO会社にある点も両者の違いです。
総務BPOは単なるリソース提供ではなく、プロジェクトを遂行する自社のビジネスパートナーの位置づけです。
総務BPOへの業務委託が向いている企業
アウトソーシングや人材派遣との違いを踏まえ、総務BPOへの業務委託が向いているのは以下の企業です。
- 総務の業務範囲が広い企業
- 業務の繁閑差がある企業
- 自社にない業務ノウハウを得たい企業
- 新規立ち上げや組織再編のある企業
総務の業務範囲が広い企業
総務の業務範囲が広い企業は、BPOの導入によって業務改善が期待できます。
例えば総務が経理、人事、労務を兼任している企業は、株主総会から福利厚生管理、人材採用、経費精算、社内インフラの整備まで幅広い業務に携わっています。
総務BPOを導入することで、総務業務の中で問い合わせ業務や庶務業務を手放し、リソースを確保できます。BPO事業者によっては、総務以外のプロセスもまとめて委託できる場合もあるでしょう。
特に中小・ベンチャー・スタートアップ企業では、BPOで業務を効率化・最適化する効果は大きいといえます。
業務の繁閑差がある企業
業務の繁閑差のある企業も総務BPOが適しています。
総務は年次業務が多い部門でありながら明確な閑散期がなく、繁忙期の業務量が大幅に増えることが特徴です。繁忙期には担当者の時間外労働が増え、人件費が膨らみます。
しかしBPOに業務を委託すれば、繁忙期に追加のサポートも得られるので、繁忙期に照準を合わせた人材雇用を自社で行う必要がありません。
また、費用が業務量に応じて変動するため、 長期的・総合的に見ると業務全般の経費削減につながる場合があります。
年間・月間の特定の時期だけリソースを増やしたい企業には総務BPOがおすすめです。
自社にない業務ノウハウを得たい企業
自社にない業務ノウハウを得たい企業にも総務BPOはおすすめです。
BPO事業者は、幅広い企業支援で業務ノウハウの蓄積された総務業務専門のプロ集団です。例えば業務設計において、プロジェクトマネージャーから業務フローの見直しや、社内では気づかない画期的な提案を受けることがあります。
また、プロジェクトの遂行中にBPOスタッフから、第三者的視点のアドバイスを得られるチャンスもあるでしょう。
自社に業務ノウハウが不足している企業でも、総務BPOを活用すれば社外の業務手法を学べます。
新規立ち上げや組織再編のある企業
新規事業の立ち上げや分社化・統合などの組織再編がある企業にも、総務業務のBPO化が有効です。
組織の変革期には業務フローが大幅に変わるため、従業員が新しいフローに慣れるまでは通常業務が停滞したり、抜け漏れが生じたりする場合もあるでしょう。
組織の変革期にBPOを導入することで、業務移行の混乱を最小限に抑えられ、新規業務のスピーディーな立ち上げにもつながります。プロジェクトが軌道に乗るまで、BPO事業者の中長期的なサポートを受けることも可能です。
総務BPOに委託できる業務内容
総務BPOには以下の幅広い業務を委託することが可能です。
業務区分
具体的な業務内容
窓口業務(コンシェルジュ業務)
- 受付・代表電話
- 総務カウンター
- メール室
- 備品貸し出し
- 社内問い合わせ
秘書業務
- 電話対応
- 役員スケジュール管理
- 役員出張手配
巡回・設備管理業務
- 郵便・宅配便
- 会議室管理
- 備品補充・管理
- オフィス巡回
- 什器修繕・手配
事務業務
- 労務業務
- 入退社対応
- 請求・契約対応
- 文書管理
- 福利厚生業務
- 資産管理
- 健康診断
- 購買業務
- 発注先管理
- 社内外イベント
- 庶務業務全般
BPO事業者は高い専門性を持っているため、委託する業務内容は、自社のニーズや要件に応じて柔軟にカスタマイズが可能です。
総務BPOの導入で得られるメリット
総務BPOの導入で得られるメリットは以下の通りです。
- コア業務に注力できる
- 業務プロセスが改善される
- ミスを削減し業務品質を高められる
- コスト削減につながる
コア業務に注力できる
総務業務のノンコア業務(サポート業務)をBPO事業者に委託することで、自社の総務担当者はコア業務に注力できます。
総務業務は大きく分けて以下の3種類に分類されます。
- 日常業務
- 管理業務
- 戦略業務
日常のルーティン化された業務や、管理業務のうち判断がルール化されている部分は代替できるため、BPO化が可能です。
ただし戦略業務だけは、総務の経験と深い知見が求められるコア業務であり、意思決定や決裁を伴うためBPO化には適していません。戦略業務とは、以下の業務改革を戦略的に実施することです。
- 会社全体での生産性の向上
- 企業文化や制度の改革
- 社員のモチベーションアップ
総務の日常業務と一部の管理業務をBPO化することで、社内リソースを戦略業務にシフトでき、企業の生産性と競争力アップにもつながります。
業務プロセスが改善される
BPOを導入することで業務プロセスの改善を図れます。
BPOに委託する業務はルーティンワークや、属人化などで改善の必要な業務がほとんどです。
BPO事業者は豊富な業務改善ノウハウをもとに自社の業務設計を行い、業務プロセスの改善を伴走支援してくれます。そのため従来業務の無駄な作業を削減でき、プロセスの効率化と生産性向上につなげられます。
ミスを削減し業務品質を高められる
総務BPOを導入することにより、総務業務のミス削減と品質向上が期待できます。
備品管理などの数字管理では、不注意によるミスが起こることもあります。また総務部門では社内の問い合わせ対応も多いため、目の前の作業に集中できずミスにつながるケースも少なくありません。
総務BPOのスタッフは総務業務のスキルとノウハウが豊富なため、高品質の作業が期待できます。また、業務プロセスが最適化されることで作業の精度が高まり、ミスの削減につながります。
コスト削減につながる
総務BPOの導入は人件費などのコスト削減にもつながります。
総務業務に新たな人材を採用した場合の人件費は以下の通りです。
- 給与
- 賞与
- 法定福利費
- 福利厚生費
- 販管費
上記の他に育成のコストも固定費として発生します。
一方でBPOの業務委託契約における人件費は、委託費用として変動費化が可能です。さらに人材の採用と育成をBPO事業者が行うため、自社で育成・マネジメントするコストもかかりません。
トータルで人件費の大幅な削減が見込めることは、総務BPOの大きなメリットといえるでしょう。
総務BPOを導入するデメリット
総務BPOの導入にはさまざまなメリットがある反面、いくつかのデメリットもあります。
- 自社にノウハウが蓄積されない可能性がある
- セキュリティリスクがある
- コミュニケーションが不足する恐れがある
自社にノウハウが蓄積されない可能性がある
総務業務をBPO化した場合、社内に業務ノウハウを蓄積できない可能性があります。
BPO事業者に業務を丸投げすると、自社従業員が当該業務の経験値を積めません。プロジェクト終了後や、万が一業務委託契約の解除もしくはBPO事業者の撤退が生じた場合、スムーズな業務遂行が困難になる恐れがあります。
将来自社内で業務を行うことを想定し、BPO事業者の業務内容や進行方法を把握するとともに、 事業者に業務ノウハウを共有してもらえるよう、働きかけることが重要です。
セキュリティリスクがある
情報漏洩などのセキュリティリスクが生じることも、総務BPOのデメリットの一つです。
総務業務は従業員や顧客の個人情報、会社の機密情報を取り扱う機会が多く、BPO事業者を通じて情報が外部に漏洩するリスクが発生します。
ひとたび情報漏洩が起こると自社の信頼が失墜するだけでなく、取引先へ被害が及べば損害賠償請求にもつながりかねません。
BPO事業者の情報管理のルールはそれぞれ基準が異なります。BPO導入を検討する際には、BPO事業者の管理体制を確認することも必要です。
コミュニケーションが不足する恐れがある
総務BPOの運用時は意思疎通が不足する恐れがあります。
BPOでは業務フローを含めて業務を委託するため、コミュニケーションが不足した場合、業務プロセスがブラックボックス化しやすくなります。一度ブラックボックス化してしまうと、BPO事業者の業務内容や進捗を可視化することは困難です。
プロジェクトの現状を把握できなければ、トラブル発生時の判断が遅れ、解消に時間を要する恐れもあるため、BPO事業者には業務の現状を定期的な報告を求めることが大切です。
総務BPOの3つの契約形態
総務BPOの契約形態には以下の3種類があります。
- 請負契約
- 委任契約
- 準委任契約
請負契約
請負契約とは、業務を達成、もしくは成果物を提出することを約束する契約形態です。業務が完了するまで契約は終了しません。
報酬は成果物に対して支払われ、成果物が完成(業務を遂行)するまでの作業方法は受注者が自由に選択できます。
請負契約の主な業務の例は以下の通りです。
- プログラミング
- システム設計
- ソフトウェア開発
- デザイン
請負契約の成果物責任は委託先(受注者)、BPO事業者が負います。
委任契約
委任契約とは、特定の法律行為を代行してもらう契約のことです。
成果物ではなく業務の遂行に対して報酬が支払われることが特徴で、専門性の高い知識やスキルを必要とする業務で選択される契約形態です。
企業の委任契約の代表的な業務の例は以下の通りです。
- 弁護士による弁護・提訴
- 税理士による確定申告
- 司法書士への財産管理
- 不動産の契約書作成
- 外部研修機関による研修
委任契約の成果物責任は委託元(発注者)が負います。
準委任契約
準委任契約とは、法律行為以外の行為を代行してもらう契約のことです。
委任契約との違いは、特定の法律行為に当たらない業務であることです。オフィス業務の多くが法的行為以外の業務に当たるため、総務BPOは準委任契約で行われるケースがほとんどです。
準委任契約では作業過程に責任を負いますが、成果が求められるわけではありません。作業期間が終わると契約は終了します。準委任契約が適用される業務は以下の通りです。
- 一般事務
- 給与計算
- カスタマーセンター
- コンサルタント
- 保守
成果物に対する責任は委託元が負います。
総務BPOの導入を成功させるポイント
総務BPOの導入を成功させるためのポイントは以下の4つです。
- BPOの導入目的を明確化する
- 導入による会社全体のメリットも明確化する
- 委託する業務範囲を明確にする
- BPO事業者と良好な関係を構築する
BPOの導入目的を明確化する
総務BPOの検討段階において、何のために導入するのか、何を成果とみなすのか、導入の目的を明確にしておくことが大切です。
以下は企業の主なBPO導入目的です。
- 人手不足の解消
- 特定のスキルを持つ人材の確保
- 社内リソースのコア業務へのシフト
- 人件費・業務コストの削減
- 業務効率化
- 事業継続性の担保
改善したい課題やプロセスが明確化されていないと、運用中に事業運営の軸がブレてしまい、期待する成果を得られません。BPOの導入前に目的を絞り込んでおきましょう。
導入による会社全体のメリットも明確化する
総務がBPOを導入する場合、会社全体の利益を考えることが必須です。
自社の業務プロセスを外部へ委託することに対しては、社内での反発が予想されるため、理解を得るために下記を明確に説明しておきましょう。
- 総務BPOの導入で得られる具体的なメリット
- 総務BPO導入で想定されるデメリット
メリットとデメリットを説明することによって、総務でBPO化できる業務や、導入により解決できる課題を社内全体で議論できます。
事前に決定権を持つ経営層や役員の同意を取り付け、総務業務のBPO化を後押ししてもらえる体制を作っておくと、よりスピーディーな導入が可能です。
委託する業務範囲を明確にする
業務を外部委託する前に、委託する業務範囲を明確にすることもBPO導入に成功するポイントです。
BPOに委託する業務を選定する際は、自社の業務内容とフローを洗い出し、以下の業務を切り出して委託するのが基本です。
- 代替可能なノンコア業務
- 自社で知見が不足している領域
- 社内で負担が重い業務
事前に委託する業務を絞り込んでおけば、事業者を選ぶ基準が明確になります。委託したい業務に強いBPO事業者を選ぶことで、プロジェクトの成功率が高まります。
BPO事業者と良好な関係を構築する
総務BPOでプロジェクトを円滑に運営するためには、継続的な協力体制の構築が必須です。
BPO事業者との連携が不足すると、業務内容を可視化できなくなるだけでなく、事業のスケジュールや目標に対する認識にもズレが生じやすくなります。
また、コミュニケーションの不足によりお互いの信頼関係が希薄になると、BPOメンバーのモチベーションや生産性の低下にもつながりかねません。
BPO事業を順調に進めるためには、BPOメンバーと密接なコミュニケーションを取り、情報共有を円滑化することが重要です。定期的なレポート提出や定例会の開催を通じて業務状況を把握し、連携を強めましょう。
総務BPOの導入に成功した7つの事例
ここで総務BPO導入をイメージできるよう、導入に成功した事例を7つ紹介します。
- 新規立ち上げの業務標準化に成功!運用設計までトータルサポート
- 業務属人化を解消!管理・運用体制のスムーズ化も実現
- スピーディーなオフィス統合移転を実現!シナジー効果も促進
- 働き方改革を実現!受付・メールセンター・庶務の改善
- 間接部門の効率化で人件費削減!ノンコア業務を大幅に改善
- 社内リソースを戦略総務化!各拠点の庶務業務を統合
- 働き方の多様化に貢献!総務ワンストップ窓口を開設
新規立ち上げの業務標準化に成功!運用設計までトータルサポート
分社化・グループ独立にともない総務部門の立ち上げを行った企業では、BPO事業者に業務設計、運用設計を委託し業務標準化に成功しています。
新会社の総務スタッフ不足で、新規採用で育成・マネジメントする余裕はなかったため、同社は総務BPOを導入しました。
総務BPO事業者からオフィス移転・日常業務のサポートを受け、同時に新オフィスの運用ルール設計も委託しています。その結果、新オフィス立ち上げから3カ月で100件にも及ぶ業務のマニュアル化を実現しました。
社内で経験のなかったオフィス移転において、ノウハウ豊富なBPO会社のサポートによりスムーズな業務移行を実現した好事例です。
業務属人化を解消!管理・運用体制のスムーズ化も実現
メール室業務の属人化に悩まされていた企業では、派遣社員1人で担当していたメール室業務と総務のBPO化で運用のスムーズ化を実現しています。
担当者不在の際は総務部門がメール室業務に対応していましたが、業務マニュアルがなかったため、担当者と総務の業務品質にばらつきが生じていました。
そこで同社は総務とメール室の業務にBPOを導入し、BPO事業者の専任スーパーバイザーの助言のもと、立上げ時の業務の構築やスタッフの人選、運用から改善までを一元管理したのです。
その結果、担当者欠勤時にBPO事業者がバックアップする体制が構築され、総務部門の負担が大幅に軽減されました。また業務分析にもとづいてマニュアルが作成され、業務品質の標準化も実現しています。
スピーディーなオフィス統合移転を実現!シナジー効果も促進
M&Aにともなうオフィス統合移転の決まった企業では、BPO導入でフリーアドレス化・機能別ゾーニングなどの大規模移転プロジェクトに成功しています。
同社にはオフィス移転経験者がおらず、旧ビル退去の期限も迫っていたため、BPOに総務業務代行と問い合わせ対応、サービスカウンター設計、さらにオフィス運用設計・改善までを委託しました。
移転の多忙な中においても、BPOで業務が整理されたことによって優先順位が明確化され、業務の混乱は起きていません。またフリーアドレス化にともなう各種整備業務や、新・旧オフィスの窓口対応も円滑に遂行できました。
BPOの力を借りたことで、時間制限のあるスピード移転が可能となり、従業員はコア業務に専念できています。さらにフリーアドレス化の副次的効果として、社内のペーパーレス化も進み、BPOの導入が成功しました。
働き方改革を実現!受付・メールセンター・庶務の改善
リモートワーク推進中の企業では、受付業務・メールセンター・庶務業務のアウトソーシングで全社的な働き方改革を実現しています。
上記業務は担当者の負担が大きかったため、同社では本社移転を機に、BPOによる総務の働き方改革を目指しました。
またシステム・AI導入も進めていた同社では、業務のリモート化が進んだときに誰もが使える対面窓口が必要と感じていました。そこでBPOを活用した従業員のコンシェルジュ窓口を設け、受付およびメールセンター・庶務を委託しています。
その結果、総務部門の負担が大きかった業務はすべてBPOに委託でき、総務スタッフは庶務的業務から解放され、戦略的な総務業務へ移行できました。
またBPOのコンシェルジュ窓口は、迅速な対応により従業員から高く評価されています。
間接部門の効率化で人件費削減!BPO事業者との関係構築も奏功
国内に5拠点を構える企業では、各拠点の総務業務をBPOで効率化したことで、人件費の大幅な削減を実現しています。
同社では総務の人材が不足し、担当者が社内の相談ごとに1人で対応することに限界を感じていたため、BPOを導入し庶務業務などを委託しました。そしてBPO事業者の専門的なアドバイスと人件費の流動費化効果により、大幅な業務効率化と人件費削減を実現しています。
さらにBPOに委託した総務以外の業務においても、事業者の機転で関連法改正に迅速に対応できました。
なお同社ではBPOメンバーとのコミュニケーションを尊重し、社内イベントへの招待や記念品の配布などを実施しています。BPOスタッフが意思疎通を図りやすい関係性を構築したことで、メンバーのモチベーションが向上しBPOの安定運用につながりました。
社内リソースを戦略総務化!各拠点の庶務業務を統合
BPOにより各拠点の庶務業務を統合した企業では、社内リソースをコア業務へシフトすることに成功しています。
庶務業務が全社で統一化されていなかった同社ではBPOを導入し、各部署からの要望を一元的に受け付ける総務コンシェルジュ窓口を設置しました。
さらにBPO事業者との二人三脚で、社内初のグループアドレス化に向けたワークプレースを構築するなど、新しい総務機能を一から立ち上げています。
従業員の転出転入手続きについても、各部署での対応からコンシェルジュへの一元化によって、サービスが均一化されています。またコンシェルジュと総合受付のジョブローテーションにより業務の繁閑調整が可能となり、業務効率も向上しました。
結果として総務担当者の時間外労働が削減され、中核的業務への移行も実現しています。
新しいワークプレースについても、高いデザイン性・機能性が社内外から好評です。
働き方の多様化に貢献!総務ワンストップ窓口を開設
大手外食チェーン企業では、BPOによる総務ワンストップ窓口を開設し、従業員のワークスタイルの多様化と業務負担軽減に貢献しています。
同社では総務部がメール室スタッフ不在時の対応や、従業員の問い合わせ対応などの多重的なノンコア業務を担っていました。
そこで同社はBPO事業者に、総務の定型業務とメール室の管理業務を委託し、属人化していたメール業務のマニュアル化と業務の標準化を図っています。
また全社のフリーアドレス化と総務の在宅ワーク化を進めていた同社では、不在がちになる総務の問い合わせ窓口を、BPOを活用したコンシェルジュ窓口へとリニューアルしました。
さらにコンシェルジュ窓口をメール室の隣に設置したことで、メール室不在時の対応も円滑化できています。
同社はBPOの導入により200時間の定型業務のアウトソーシングを実現し、フリーアドレス化と在宅ワークの推進、従業員の利便性向上のすべてを実現しました。
総務BPO委託先の選び方
総務BPOの業務委託先を選ぶ際は、以下のポイントを押さえて選定することが大切です。
- 業務の対応範囲
- 業務の専門性
- 導入実績
- コストパフォーマンス
- セキュリティ
- 業務の改善・変革の可能性
業務の対応範囲
総務の業務は多岐にわたるため、総務BPO事業者の対応業務範囲は選定の重要なポイントです。
BPOで委託できる業務範囲は事業者によって異なるため、自社で委託したい業務に対応している事業者を選ぶことが大切です。
業務内容だけでなく取り扱い可能な業務量についても、自社の求めるキャパシティを満たしているかどうかをチェックしましょう。
また、総務BPOは単一業務ではなく、複数業務を委託するケースも少なくありません。対応可能な業務範囲が広く、委託したい業務をすべて任せられるBPO事業者を選択することをおすすめします。
業務の専門性
BPO事業者の選択においては、自社のニーズと事業者の専門性が合致するかどうかが重要です。
自社の業種や事業領域で専門性の高いBPO事業者であれば、自社の課題を解決できる可能性が高まります。また、中にはニッチな領域に特化したサービスを持つ事業者もあるので、自社の事業領域と合う会社を探すとよいでしょう。
BPO事業者の選定時は、サービスの専門性と自社ニーズの適合性を、事前に調査することが大切です。
導入実績
BPO事業者の導入実績の多さは信頼性の証明です。実績の多い企業は豊富なノウハウを持つ場合が多く、高い業務品質を期待できます。
また、導入された数だけでなく事例も参照し、サービスを活用できるパターンを把握することもおすすめです。
BPO事業者が過去にどのようなプロジェクトを成功させたか、自社のプロジェクトにどう活かせるかがわかれば、導入後のミスマッチを防げます。
コストパフォーマンス
価格とコストパフォーマンスはBPO事業者の選定において、もっとも重要な要素の一つです。
同じ業務内容でも事業者により委託費用は異なります。一社の見積もりのみで契約してしまうと、相場よりも費用が高くなる可能性があるため、複数の事業者から見積もりを取り、サービス内容と価格を比較しましょう。
ただし価格の安さだけで契約してしまうと、追加のサポートや修正が必要になり、かえってコストが増大する可能性があります。逆に料金が高くてもコストパフォーマンスが良ければ、トータルのコストの削減につながるでしょう。
そのため、価格の安さだけで判断せず、運用コストや投資利益率も考慮したうえで事業者を選定することをおすすめします。
セキュリティ
業務プロセスを委託するBPO事業者には、自社の機密情報や個人情報を共有することになります。
そのため、BPO事業者の情報セキュリティ管理体制を確認し、自社の情報保護基準および法規制に適合しているかチェックが必要です。委託候補先がどのような対策を行っているか、以下のポイントで確認しましょう。
- 機密情報にアクセスする端末
- ネットワーク管理の方法
- スタッフの個人情報保護研修の実施
- 「ISO/IEC 27001」などの情報セキュリティ基準の認証取得
- プライバシーマークの取得
業務の改善・変革の可能性
総務BPO事業者には業務の代行だけでなく、業務改善・変革を実現できる事業者を選ぶことも大切です。
BPOは自社の業務プロセスにテコ入れできるチャンスです。業務のデジタル化やDXなどの業務改善ができるかどうか、実現可能な提案ができるかどうかを確認し、自社のプロジェクトに最適な事業者を選択しましょう。
総務BPOサービスを導入する7つのステップ
最後に総務BPOサービスを導入するステップを紹介します。
- アウトソースする目的の明確化
- 現状把握と業務の整理
- アウトソーシング先へのRFP(提案依頼書)の作成
- アウトソーシングパートナーの選定
- 業務分析・設計
- 運用開始
- 評価と改善
1.アウトソースする目的の明確化
はじめにアウトソースの目的を明確化します。
多くの場合、BPOの導入目的は経営資源をコア業務に集中させることにあります。中期経営計画などで注力する領域を定め、従業員がスムーズにシフトできる体制作りのためにアウトソーシングを導入するケースが一般的です。
BPOの目的が不明確なまま導入を進めてしまうと、プロジェクト進行における判断軸や基準にブレが生じ、BPO事業者との間に認識の齟齬が生まれてしまいます。
BPOの中期・長期プロジェクトを成功に導くためには、導入前に軸となる目的を明確にしておくことが大切です。
2.現状把握と業務の整理
続いて以下の流れで業務の現状把握と整理を行います。
- 業務を一通り洗い出し、各業務の内容やプロセスを把握する
- 業務ごとに重要度、優先度、効率性を評価する
- コア業務とアウトソーシング可能なノンコア業務を明確に切り分ける
属人化している業務を特定するには、業務の流れをフローチャート化してステップを一つずつ「代行が可能か」チェックするのがおすすめです。
プロジェクトがスタートしてから業務の抜け漏れが生じたり、責任の所在があいまいになったりしないためにも、第2ステップで委託する業務範囲を明確にしておきましょう。
3.アウトソーシング先へのRFP(提案依頼書)の作成
BPOで委託する業務内容を整理したら、決定した委託目的と業務範囲にもとづき、事業者選定のためのRFP(提案依頼書)を作成します。
RFPとは、発注企業が委託候補先に対し、具体的な提案を依頼するために提示する文書です。発注者の解決したい課題や要望、要件などをBPO候補先に提示することで、自社に最適な提案を引き出すことが可能です。
BPO事業者それぞれが、RFPの要件にもとづき必要な工数や人数、費用を算出し、見積もりと提案書を出してくれます。
4.アウトソーシングパートナーの選定
RFPを提示し提案を受けた事業者の中から、自社に最適なBPO事業者を選定します。
BPO事業者とは長期にわたるパートナーシップを結び、二人三脚でプロジェクトを推進することになります。以下の選定基準をもとに事業者を評価し、複数の候補を比較検討しましょう。
- 信頼性・実績
- 業務の専門性の高さ
- 価格
- 提供されるサービス内容
BPOは事業者に丸投げするわけではなく、連携を取り合って進めていく必要があるため、スムーズなコミュニケーションの取れる事業者を選ぶことが大切です。
5.業務分析・設計
BPO事業者が総務業務の現状分析を行い、業務設計に着手します。
BPO設計担当のコンサルタントと現場運営マネージャーが連携し、現状の業務フロー上の課題箇所にある問題を具体化します。業務設計のすり合わせが不十分だと、運用を開始してからパートナーとの認識のズレが生じ、トラブルやミスにつながるため注意が必要です。
続いて課題の解決策を検討しながら業務設計を行います。
- 体制構築
- マニュアル作成
- 教育研修
- 課題対策
- 新業務フローの策定
- ツール導入
業務フローを定めたら、自社と事業者の責任分担や品質基準を決定しましょう。
6.運用開始
自社と事業者の分担が決まったら業務の引継ぎを行い、BPOの運用を開始します。
当初から運用が上手くいくかどうか不安な場合は、事前にトライアル運用を行うことも一つの方法です。
運用開始後は随時連絡を取り合い、運営の状況把握や新たに挙がった課題を共有しましょう。加えて定期的な報告書の提出や、合同の定例会を開催することが一般的です。
進捗確認の指標とするために、定量的なKPI(重要業績評価指標)を設定しておくことも大切です。
【間接部門のKPI設定の例】
目標とする項目
KPIの具体例
コスト削減
- 経費を前年同月比〇%削減する
- 経費削減案を〇つ提案する
- 残業時間を月〇時間以内に削減する
業務の質・量
- 業務マニュアルを〇月までに作成する
- 〇〇業務の作業時間を月平均で〇時間短縮する
- ミスの発生率を〇%削減する
- 勉強会を1か月に〇回実施する
- 書類を〇通データ化する
納期短縮
- 納期を〇日短縮する
- 作業時間を〇時間短縮する
7.評価と改善
業務を遂行する過程において、業務内容やBPO運営体制について定期的に評価を行い、PDCAサイクルを回しながら業務品質を改善していきます。
BPO導入から自社の課題解決までには時間がかかるのが一般的です。施策が1回目から上手くいくとも限りません。
事前に定めたKPIをもとに運用の効果測定を行い、BPO事業者と連携して改善策を策定し、再度実行しましょう。継続的な業務改善と品質向上がプロジェクト成功の鍵です。
総務BPOを活用し戦略総務を実現しよう
総務BPOを導入することで総務業務の効率が高まり、削減されたリソースで従業員が戦略的総務に専念できます。
総務BPOの導入で業務プロセスを改善できるほか、業務フローを一から構築することも可能です。委託する目的と業務範囲を明確化し、BPO事業者との連携を強化することも大切です。
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