【会社側】入社手続きチェックリスト|必要な書類一覧と流れを徹底解説

人事・採用

スムーズな入社手続きは、新入社員が安心して業務を開始するために欠かせません。

しかし一方で、どの書類をいつまでに準備すべきかわからない、手続きの優先順位に迷ってしまうなど、入社手続きに悩みを抱える人事担当者も多いのではないでしょうか。

本記事では、入社手続きを効率的に進めるための実践的なチェックリストを紹介します。

採用通知から入社後の各種手続きまで、具体的な業務の流れに沿ってやるべき内容を紹介しているので、参考にしてみてください。

漏れのない手続きで、新入社員を気持ちよく迎えましょう。

この記事でわかること

  • 入社手続きで会社側が用意するものと対応期日
  • 入社手続きの流れ
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入社手続きで会社が準備するチェックリスト一覧

入社手続きを効率的に進めるためには、チェックリストの活用が有効です。

以下のチェックリストを活用し、手続き漏れを防止して、スムーズで確実な入社手続きを実現しましょう。

【入社手続き総合チェックリスト】

区分

必要書類

手続き

準備期日

回収期日

代替可能書類

チェック

内定者への通知関連

採用通知書

内定後1週間以内

労働条件通知書

内定後1週間以内

入社手続き案内

入社1カ月前

雇用契約書

入社2週間前

入社日まで

身元保証書

内定後1週間以内

入社日まで

緊急連絡先届

社会保険関連

健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届

入社後5日以内

健康保険被扶養者(異動)届

入社後5日以内

雇用保険被保険者資格取得届

入社月の翌月10日まで

労災保険関連届出

雇用から10日以内

税務関連

給与所得者の扶養控除等申告書

入社2週間前

入社日まで

住民税の異動届出書

入社月の翌月10日まで

社内システム関連

社内メールアドレス発行

入社1週間前

各種システムアカウント作成

入社1週間前

セキュリティカード発行

入社1週間前

備品関連

デスク・椅子の準備

入社日の3営業日前

パソコン・周辺機器セットアップ

入社日の3営業日前

文具用品セット

入社日の3営業日前

社内連絡関連

所属部署への連絡

入社1週間前

座席位置の確定

入社1週間前

研修スケジュールの確定

入社1週間前

内定者提出書類(必須)

年金手帳

入社日

基礎年金番号通知書

雇用保険被保険者証

入社日

前職の源泉徴収票

入社月内

給与支払証明書

扶養控除等申告書

入社日

給与振込先の届書

入社月の給与支給日まで

マイナンバーカード

入社日

通知カード+身分証明書

内定者提出書類(状況に応じて)

健康保険被扶養者異動届

入社日

資格証明書類

入社1週間以内

住民票

入社2週間以内

卒業証明書

入社日まで

退職証明書

入社1カ月以内

退職予定証明書

入社手続きの流れ

スムーズな入社手続きは、新入社員の早期戦力化と定着率向上に大きく貢献します。

採用確定後は、以下の流れに沿って速やかに入社手続きを進めましょう。

  1. 内定者への案内通知
  2. 内定者からの必要書類受け取り
  3. 社会保険の加入手続き
  4. 雇用保険・労災保険の手続き
  5. 所得税・住民税の手続き
  6. 各種システムへの情報登録
  7. 備品の支給

各手順について具体的に解説します。

1.内定者への案内通知

内定承諾から入社までの準備期間を効果的に活用するため、内定承諾後1週間以内に案内通知を送付します。

案内通知は、入社までに必要な手続きや準備事項を包括的に伝える文書です。

具体的な記載内容は以下の通りです。

  • 入社式の日時や場所
  • 持参書類と提出期限
  • 服装指定などの入社初日に関する事項

また、社会保険関連の手続きや給与振込口座の登録方法、通勤手当の申請方法など、事前に準備が必要な手続きも明記しておきましょう。

案内通知をスムーズに送付することで、内定者の入社準備における不安やストレスの軽減につながります。

一方、案内通知が遅延すると、必要書類の提出遅れによる社会保険手続きの混乱や、給与支払いの遅延リスクが発生します。

人事部門は案内通知の送付を計画的に実施し、入社準備の質を高めるように意識しましょう。

2.内定者からの必要書類受け取り

内定者から必要書類を受け取るタイミングは、円滑な入社手続きにおいて非常に重要です。

入社1カ月前までにすべての書類を回収できれば、後続の手続きがスムーズに進行します。

必要書類の主な項目は以下の通りです。

  • 住民票記載事項証明書(発行後3カ月以内)
  • 源泉徴収票または所得税の納税証明書(前職がある場合)
  • 年金手帳のコピー
  • 健康保険被保険者証のコピー(扶養家族がいる場合)

書類の受け取り後は、記載内容の確認と不備の有無をチェックし、不足や誤りがある場合は3営業日以内に内定者へ連絡を取りましょう。早期の確認により、修正や再提出の時間的余裕を確保できます。

人事部門は受け取った書類を確実に保管し、アクセス権限のある担当者のみが取り扱うよう、情報管理体制も整備しましょう。

入社1カ月前までに確実に書類を回収するためには、入社2カ月前から提出依頼を開始し、2週間ごとのリマインドがおすすめです。

3.社会保険の加入手続き

社会保険の加入は、資格取得日(通常は入社日)から5日以内の手続きが法的に定められています。

手続きに必要な書類は以下の通りです。

  • 健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届
  • 年金手帳または基礎年金番号通知書のコピー
  • 健康保険被扶養者(異動)届(扶養家族がいる場合)

加入手続きの遅延は、社員の医療費負担の増加や年金の加入期間への影響など、重大な不利益を招く可能性があります。

人事部門は内定者から受け取った書類を迅速に確認し、不備があれば速やかに修正対応を行いましょう。

特に扶養家族がいる場合は、収入証明や課税証明書など追加の書類が必要であり、入社2週間前までに必要書類の準備が完了していることが望ましいです。

事前に準備しておくことで、入社直後からの保険証の発行や医療費の保険適用が円滑に進行できます。

4.雇用保険・労災保険の手続き

雇用保険・労災保険の手続きは、社員の生活保障と労働安全の基盤を支える非常に重要な手続きです。

雇用保険の資格取得届は、被保険者となった日(通常入社日)の属する月の翌月10日までにハローワークへの提出が定められています。

手続きに必要な書類は以下の通りです。

  • 雇用保険被保険者資格取得届
  • 雇用保険被保険者証(前職がある場合)

企業規模や雇用形態に関わらず、労働時間が週20時間以上の社員は加入対象です。

一方、労災保険は事業所として初めて労働者を雇用する際に、労働基準監督署へ保険関係成立届を10日以内に提出します。

上記の手続きは会社として1回のみの手続きであり、以降の社員雇用時は労働保険料の算定や納付に関する手続きのみです。

手続きの遅延は、社員の生活保障や労働安全の基盤を損ない、企業の安全配慮義務にも関わる重要事項です。人事部門は各制度の期限を厳守し、確実な手続きの実施と書類の管理が求められます。

5.所得税・住民税の手続き

所得税・住民税の手続きは、社員の給与支給を適正に実施するための重要な基盤です。法定期限の順守と正確な手続きにより、社員の税負担を適切に管理します。

必要な手続きと書類は以下の通りです。

  • 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
  • 給与所得者の基礎控除申告書兼給与所得者の配偶者控除等申告書
  • 前職の源泉徴収票(年の途中で入社する場合)
  • 住民税の異動届出書

所得税関連の書類は、給与の支払開始日までに確実な回収が必要です。特に年の途中での入社の場合、前職分の源泉徴収票は年末調整の正確な実施に不可欠です。

住民税については、特別徴収を継続するため、入社月の翌月10日までに市区町村への異動届出を行います。給与計算の担当者は、記載内容を確認後、社内システムへの登録を速やかに実施しましょう。

6.各種システムへの情報登録

各種システムへの情報登録は、入社後の業務効率と社員管理の基盤を支える作業です。人事・給与システムから社内コミュニケーションツールまで、さまざまなシステムへの登録を計画的に実施します。

主な登録作業の対象は以下の通りです。

  • 人事・給与システム(個人情報、給与情報)
  • 勤怠管理システム(社員番号、所属部署)
  • グループウェア(メールアドレス、プロフィール)
  • 社内システムのアクセス権限設定

上記の登録作業は、入社日の1週間前までに完了していることが望ましいです。特にメールアドレスやシステムアカウントは、入社初日から業務で必要となるため、事前準備が不可欠です。

また、セキュリティの観点から、各システムの初期パスワードは適切に設定し、入社時のオリエンテーションで本人に直接通知します。

さらに、部署ごとに必要なアクセス権限を事前に確認し、業務に支障が出ないよう設定を行いましょう。

人事部門は各システム管理者と連携し、漏れのない情報登録と適切なアクセス権限の付与を行い、新入社員の円滑な業務開始を支援します。

7.備品の支給

備品の支給は、新入社員が業務を開始するための環境整備の一環として重要です。入社後の業務効率を高めるため、必要な備品を事前に準備し、入社初日に漏れなく提供できる状態にしましょう。

主な支給備品は以下の通りです。

  • パソコンおよび関連機器(マウス、キーボード)
  • 社員証・入館カード
  • デスク周りの文具類
  • ロッカーの鍵
  • 制服(支給がある場合)

備品の準備は、入社日の3営業日前までに完了していることが望ましいです。特にパソコンは、セキュリティソフトのインストールや初期設定に時間を要するため、IT部門と連携して早めの準備を意識しましょう。

また、備品の支給状況を管理台帳で記録できれば、退職時の返却漏れの防止につながります。社員証やパソコンなど、情報セキュリティに関わる備品は、特に厳密な管理が求められます。

人事部門は総務部門と協力し、新入社員が気持ちよく業務を開始できるよう、清潔で整然とした環境の提供を心がけます。

入社前に会社側で用意する必要書類

入社時には会社側で以下の書類準備が必要です。

  • 採用通知
  • 入社承諾書
  • 労働条件通知書・雇用契約書
  • 身元保証人

各書類について詳しく解説します。

採用通知

採用通知は、企業と新入社員の雇用契約を正式に結ぶ法的文書です。採用の意思決定から1週間以内に発行し、入社手続きの確実な実施につなげます。

採用通知には、採用日、職種、部署名などの基本情報に加え、給与、勤務時間、休日などの労働条件の明確な記載が重要です。特に労働基準法で定められた労働条件の明示事項は、漏れなく記載する必要があります。

送付の際は、配達記録が残る方法を選択し、確実な到達確認を行いましょう。また、承諾期限を明確に示すことで、採用計画の確実な実行が可能です。

適切な採用通知の発行は、雇用条件の明確化による労使間のトラブル防止と、スムーズな入社準備の実現に貢献します。

一方、通知の遅延や記載不備は、入社辞退や労働条件の認識相違など、深刻な問題を引き起こす可能性があるため注意が必要です。

入社承諾書

入社承諾書は、企業から提示された採用条件に対し、内定者が同意を表明する確認文書です。法的な拘束力はないものの、企業と内定者の雇用に関する合意を証明する役割を果たします。

入社承諾書には、氏名、住所、連絡先などの本人情報に加え、就業規則の遵守など誓約事項の記載が必要です。また、本人の意思確認として自署・捺印を求める欄を設けましょう。

企業側は採用通知と同時に入社承諾書を送付し、2週間以内の返送を依頼します。受領後は採用通知の内容との整合性を確認し、控えを確実に保管します。

また、提出期限を過ぎても返送がない場合は、速やかに本人への確認を行います。

適切な入社承諾書の取り交わしは、採用計画の確実な実行と労使間の信頼関係の構築に寄与します。

一方、手続きの不備により入社意思の確認や条件交渉を適切に行わないと、内定承諾後のキャンセルや入社直前の辞退が発生する可能性があります。

​​労働条件通知書・雇用契約書

労働条件通知書・雇用契約書は、労働基準法に基づき労働条件を明示する法定書類です。賃金、労働時間、休日などの労働条件を書面で明確に示すことで、将来的な労使間のトラブルを防止します。

記載必須の項目は以下の通りです。

  • 給与額と支払方法
  • 始業・終業時刻、休憩時間
  • 休日・休暇の取得
  • 福利厚生の適用条件
  • 退職に関する事項

採用通知の発行後、入社日の2週間前までに作成し、内定者への送付が望ましいです。特に労働条件の変更がある場合は、内定者の同意を得た上で修正版を発行する必要があります。

書類の作成時は、就業規則との整合性を確認し、曖昧な表現を避けて具体的な数値や条件を明記します。また、法改正への対応も随時確認が必要です。

適切な労働条件の明示は、入社後の円滑な労務管理につながります。一方、不適切な内容や記載漏れは、労働基準監督署からの是正勧告や労使間の重大なトラブルを引き起こす可能性があります。

身元保証人

身元保証書は、内定者の素行や責任感を保証する重要書類です。

入社承諾書と同時に送付し、入社日までの提出依頼が基本です。主な記載項目として、保証人の氏名、住所、電話番号、続柄を含め、署名・押印欄を設けます。

書類作成時は企業独自の書式を使用しますが、必要に応じて雛形を提供するなど、内定者への配慮も重要です。

また、保証人を立てることが困難な場合に備え、緊急連絡先報告書など代替手段の用意も有効です。

内定者には保証人への依頼と必要書類の確認を早めに促し、十分な準備期間を確保しましょう。身元保証制度には、企業側のリスク管理が目的ですが、保証人を立てることが難しい内定者の状況にも配慮が必要です。

近年は、身元保証制度の必要性の見直しや、提出を任意とする企業も増加しています。

入社時に内定者から必ず提出してもらう書類

入社手続きを確実に進めるため、以下の書類の提出が必要です。

  • 年金手帳
  • 雇用保険被保険者証
  • 前職の源泉徴収票
  • 扶養控除等申告書
  • 健康保険被扶養者異動届
  • 給与振込先の届書
  • マイナンバーカード

各書類について詳しく解説します。

年金手帳

年金手帳は社会保険の加入手続きに必要な「基礎年金番号」を確認するための重要書類です。

社会保険は資格取得日(通常は入社日)から5日以内の手続き期限があるため、入社日当日での回収が必須です。新規採用の場合は年金手帳の新規発行手続きを行い、中途採用の場合は前職での加入期間の確認を行います。

提出が遅延すると健康保険証の発行が遅れ、社員や社員家族の医療機関受診に支障をきたす可能性があります。

また、加入手続きの遅れは将来の年金受給にも影響を及ぼすリスクがあるため、期日内の確実な回収が重要です。

雇用保険被保険者証

雇用保険被保険者証は雇用保険の継続加入手続きに必要な書類です。

被保険者証により前職での資格取得日や喪失日を確認し、継続した雇用保険の加入記録を管理します。

法定期限である資格取得日(通常入社日)の属する月の翌月10日以内の手続きに間に合うよう、入社日での回収が基本です。

提出が遅延した場合、失業給付の受給資格や雇用保険料の計算や納付にも影響を与えるリスクがあるため、期限内の回収を徹底しましょう。

なお、被保険者証を紛失している場合は、前職の会社やハローワークで再発行が可能です。再発行には時間を要する場合があるため、入社前の早めの確認と手続きを促しましょう。

前職の源泉徴収票

前職の源泉徴収票は年末調整における適切な税額計算に必要な書類です。

年の途中で入社した社員の前職分の給与支払額と源泉徴収税額の正確な把握により、年末調整時の精算が円滑に進められます。提出期限は入社月内を基本とし、給与計算担当者が内容を確認します。

提出が遅れると、年末調整時に修正作業が発生し、給与計算業務に支障が出ます。また、社員の税金の過不足が発生し、年末の給与額に大きな影響を与える可能性があります。遅延を防ぐため、内定時から準備を促しておきましょう。

前職での源泉徴収票が未発行の場合は、給与支払証明書での代替が可能です。また、前職が年の途中で退職した社員のみ提出が必要であり、入社時期によって適切な案内が必要です。

扶養控除等申告書

社員の扶養家族状況を確認し、所得税の源泉徴収額を適切に計算するための書類です。

入社時の給与計算から正確な税額控除を行うため、入社日までの回収が基本です。記載内容は毎年変更の可能性があり、特に扶養家族の状況確認は慎重に行います。

提出の遅延や記載内容の誤りは、源泉徴収額の再計算が必要であり、給与計算業務に影響を及ぼします。修正が必要な場合、社員の手取り額が大きく変動する可能性もあるため、記載内容の確認を徹底します。

扶養控除の要件に応じて、各種証明書の添付が必要なケースもあります。特に配偶者控除や扶養控除の適用には、収入証明書などの添付を求めることがあるため、事前に必要書類を案内し、スムーズな提出を促しましょう。

健康保険被扶養者異動届

健康保険被扶養者異動届は扶養家族の健康保険加入手続きに必要な書類です。

社員の配偶者や子供などの扶養家族を健康保険に加入させるため、資格取得日(通常は入社日)から5日以内の手続き期限に間に合うよう、入社日当日の回収が基本です。扶養家族の年齢や収入状況を確認し、被扶養者資格の適正な判断を行います。

提出が遅延すると扶養家族の保険証発行が遅れ、医療機関受診の際に全額自己負担が必要になるなど、大きな不利益が生じます。さらに、後日還付手続きが必要となるため、社員と会社双方の事務負担が増加します。

添付書類として、家族関係を証明する書類(住民票等)や収入を確認できる書類(源泉徴収票、給与明細等)が必要です。

書類の準備に時間を要するため、内定時から具体的な案内を行い、入社日までに確実な提出ができるよう促しましょう。

給与振込先の届書

社員への給与を確実に支払うために必要な書類です。

入社月の給与支給日までに回収し、給与計算担当者が口座情報を確認します。特に銀行名、支店名、口座番号の正確な転記が重要であり、通帳やキャッシュカードの写しとの照合を徹底します。

提出の遅延は給与支払いの遅れにつながり、社員の生活に直接的な影響を及ぼします。また、現金支給での対応が必要となった場合、現金管理や支払い手続きの負担が増加し、セキュリティリスクも高まります。

口座情報に誤りがあった場合、給与の振込エラーが発生し、再振込の手続きや手数料が発生する可能性があるため、記載内容の確認と通帳等のコピーによる照合を徹底しましょう。

マイナンバーカード

マイナンバーカードは社会保険や税務手続きに必要な法定書類であり、厳格な情報管理が求められます。

入社日までの提出を基本とし、マイナンバーの収集・利用目的を明確に説明したうえでの提出が不可欠です。情報は専用の保管場所で管理し、アクセス権限を持つ担当者のみが取り扱います。

提出が遅延すると、各種行政手続きの遅れを招くだけでなく、企業としての法令違反リスクが発生します。

マイナンバーカードの提出が難しい場合は、通知カードと身分証明書の組み合わせでの代替提出も可能です。ただし、通知カードは記載事項に変更がないものに限ります。

入社時に内定者から必要に応じて提出してもらう書類

先述した提出書類に加え、状況に応じて以下の書類の提出を依頼します。

  • 免許や資格等の証明書類
  • 住民票
  • 卒業証明書
  • 成績証明書
  • 前職の退職証明書

各書類について詳しく解説します。

免許や資格等の証明書類

給与等級や職務要件の確認に必要となる書類です。

特に給与や手当の要件となる資格、業務上必須の資格については、入社日から1週間以内の提出が基本であり、提出の際は有効期限の確認が重要です。

また、更新が必要な資格については更新予定の確認も併せて行います。

住民票

住所確認や行政手続きの際に必要となる基本書類です。

特に転居を伴う入社の場合や、扶養家族の確認が必要な場合に提出を求めます。

入社日から2週間以内の提出が一般的であり、通勤手当の算定根拠としても活用するため、発行後3カ月以内の新しい情報であることが重要です。

卒業証明書

新卒採用者の最終学歴を確認するための書類です。

内定承諾から入社日までの間に提出を依頼します。発行日が3カ月以内であることを基本とし、学校名や卒業年月、学位の種類が明記されていることを確認します。

なお、内定時に卒業見込証明書を提出している場合は、卒業後に改めて卒業証明書の提出が必要です。

成績証明書

特定職種や研究職での採用時に必要な書類です。

研究開発職での採用や、特定の科目履修が要件となる場合に提出を求めます原則として原本の提出を依頼しますが、コピーの場合は原本証明を必要とします。

卒業証明書と同時期の提出依頼(内定承諾から入社日までの間)により、効率的な書類管理が可能です。

前職の退職証明書

中途採用者の経歴確認に必要な書類です。

在籍期間や退職理由、職務内容、退職時の資格等級などを確認します。入社後1カ月以内の提出を基本としますが、前職からの発行が遅れる場合は、退職予定証明書での代替も認めることが一般的です。

入社までに用意しておく備品

新入社員を迎えるにあたり、以下の備品を事前に準備できれば、初日からスムーズな業務開始が可能です。

項目

内容

チェック

アクセス関連

社員証・セキュリティカード

通信機器

業務用パソコン・モバイル端末

アカウント

メールアドレス・システムID

オフィス備品

デスク周り・文具一式

各種マニュアル

業務手順書・社内規程

上記はあくまで一般的な例です。

事前用意によって、入社初日からスムーズに業務に取り組めるため、基本的には入社日の1週間前までには準備が整っている状態が理想的です。

特にITツールについては、セキュリティ設定やソフトウェアのインストールに時間を要するため、余裕を持った準備を意識しましょう。

また、各部署の業務特性に応じた備品の追加により、業務の効率化にもつながります。

入社手続きによくある質問

入社手続きは、社会人経験の浅い社員にとって不慣れなため、問題が起こりやすい場合があります。

適切な対処を把握し、万が一の場合でもスムーズに対応できる状態にしておきましょう。

  • 社会保険や雇用保険の加入が遅れたらどうしたらいい
  • 基礎年金番号や雇用保険被保険者番号が不明の場合の対処法は
  • 社員が書類を提出してくれないときはどうしたらいい

各問題について具体的に解説します。

Q1.社会保険や雇用保険の加入が遅れたらどうしたらいい

A.加入手続きが遅れた場合は、速やかに管轄の年金事務所やハローワークに状況を説明し、入社日に戻って加入手続きを行います。

手続きが遅れると、社員は医療費を一時的に全額自己負担しなければならない場合があります。また、失業給付の受給資格期間に影響が出る可能性があり、監督機関から改善指導を受けることもあります。

上記のリスクを防ぐため、入社日が決定次第、必要書類の案内を開始し、提出期限を入社日当日に設定します。また、チェックリストで進捗を管理し、担当者不在時のバックアップ体制も整えましょう。

万が一手続きが遅れる場合は、理由を記録に残し、社員への十分な説明と補償対応を行うことが重要です。

Q2.基礎年金番号や雇用保険被保険者番号が不明の場合の対処法は

A.基礎年金番号は年金事務所、雇用保険被保険者番号はハローワークで本人確認書類を提示すれば、速やかに番号の確認ができます。

手続きには本人の来所が必要なため、入社前に余裕を持って案内します。中途採用の場合は、前職の給与明細や離職票で番号が確認できる場合もあるため、まず書類の確認を促します。

手続きの遅れを防ぐため、内定通知の送付時に年金手帳や雇用保険被保険者証の紛失有無を確認します。

紛失している場合は、再発行手続きの方法を具体的に説明し、入社日までに必要な番号を確実に準備できるよう、細かなサポートが重要です。

Q3.社員が書類を提出してくれないときはどうしたらいい

A.まず、提出が遅れている理由を本人に確認し、書類の重要性と提出期限について丁寧に説明します。

書類の準備に時間がかかる場合や、記入方法がわからない場合は、個別にサポートを行いましょう。

特に社会保険や税金関連の書類は法定期限があるため、提出遅延が本人の不利益につながる旨を具体的に説明します。

再三の説明やサポートでも提出がない場合は、上長を通じて提出を促すなど、段階的な対応を検討します。

最終的には就業規則に基づく対応も検討しますが、本人との対話を重ね、提出を妨げている要因の解消が不可欠です。

また、同様の事態を防ぐため、書類の提出期限や必要性を入社時により明確に伝えるよう、案内方法の改善も行います。

万全な体制でスムーズな入社手続きを実現しよう

入社手続きを効率的かつ確実に行うには、計画的な準備と関係部署や内定者との連携が欠かせません。

手続きの期限が定められているものもあるため、内定者へのアナウンスは余裕を持って行い、準備時間の十分な確保が必要です。

手続き漏れを防止し、スムーズな手続き進行のために、チェックリストを活用してやるべきことを明確にしましょう。

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