人手不足の仕事・業界とは?企業が取るべき対策を徹底解説
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日本にある仕事のうちいくつかの業種は、深刻な人手不足に直面しています。
少子高齢化や転職の増加などがその背景にあり、特に建設業や介護業などで顕著です。本記事では、人手不足の現状や原因、影響を受ける仕事・業界、そして解決策について詳しく解説します。
この記事でわかること
- 業種・職種別の人手不足の実態がわかる
- 仕事における人手不足解消のための具体的な対策がわかる
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日本の仕事における人手不足の現状とは
日本の労働市場における人手不足は深刻な問題となっています。
総務省の労働力調査によると労働力人口は2020年、2021年と連続して減少しており、高齢化率も28.8%に上昇しています。
また、有効求人倍率は高水準で推移し、企業の採用難易度は高まっている状況です。
この状況が続けば、企業の生産性低下やサービス品質の低下につながり、日本経済に大きな影響を与えかねません。
日本の仕事における人手不足の現状について、以下の2点を詳しく見ていきましょう。
- 日本の労働力人口の推移
- 有効求人倍率の推移
日本の労働力人口の推移
参照元:統計局「労働力調査(基本集計)2022年(令和4年)平均結果の要約」
日本の労働力人口は、2022年平均で6,902万人と前年に比べ5万人減少しました。これは2年連続の減少です。
男女別にみると、男性は3,805万人と22万人の減少、女性は3,096万人と16万人の増加でした。
また、15〜64歳の労働力人口は5,975万人と6万人減少しています。
上記のグラフからもわかるように、少子高齢化の影響により、日本の労働力人口は緩やかな減少傾向にあります。
今後、生産年齢人口の減少がさらに進むことで、人手不足はより深刻化すると予想されています。
有効求人倍率の推移
参照元:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和5年1月分)について」
有効求人倍率とは、ハローワークに登録された求職者1人に対して何件の求人があるかを示す指標です。
厚生労働省の発表によると、日本の有効求人倍率は近年上昇傾向にあります。
2013年以降、1倍を超える水準で推移し、2019年には1.60倍とピークを記録しました。
2020年の新型コロナウイルス感染症の影響により一時的に低下し、1.18倍まで落ち込んだものの、その後、経済活動の再開に伴い回復基調となり、2022年12月時点で1.35倍となっています。
上記のグラフからも人手不足の傾向が継続していることが読み取れます。
特に、中小企業や特定の業種では深刻な人材確保の課題に直面しているのが現状です。
仕事において人手不足に陥る原因
人手不足は多くの企業が直面する深刻な問題です。仕事で人手不足に陥る主な原因は以下の通りです。
- 少子高齢化
- 2025年問題
- IT化の需要拡大
- 人材のミスマッチ
これらの原因が複合的に作用し、多くの企業で人手不足が深刻化しています。それぞれの原因について詳しく解説します。
少子高齢化
日本の人手不足問題の要因は、急速に進行する少子高齢化です。
総務省の統計によると、生産年齢人口(15〜64歳)は1995年をピークに減少し続けており、2020年から2065年にかけて約30%も減少すると予測されています。
これにより、労働力の供給が大幅に縮小し、多くの産業で深刻な人材不足が生じています。
特に若年労働者の減少は、技術継承や新たなイノベーションの創出にも影響を与え、企業の競争力低下にもつながる重要な課題です。
そのため、少子高齢化対策は、人手不足解消のための重要な課題といえます。
2025年問題
2025年問題とは、国民の5人に1人が後期高齢者(75歳以上)の超高齢化社会を迎えることで雇用、医療、福祉といった日本経済や社会の広い領域に深刻な影響を及ぼす諸問題の総称です。
この年には、65歳以上の高齢者人口が約3,500万人に達し、全人口の30%を超えると予測されています。
そのため、医療・介護分野での人手不足が深刻化すると懸念されています。
また、熟練技術者の大量退職により、製造業などでも技術継承の課題が深刻になる見込みです。
2025年問題は、日本社会全体に大きな変革を迫る重要な転換点になると予測されています。
IT化の需要拡大
IT化の需要拡大は、人手不足の原因の一つです。
デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展に伴い、あらゆる産業でITスキルを持つ人材が求められています。
特に、AI、ビッグデータ、クラウドなどの先端技術に精通した専門家の需要が高まっているのが現状です。
経済産業省の調査によると、2030年までに約79万人のIT人材が不足すると予測されています。
この需給ギャップは、専門的な知識や技術を持つ人材の育成に時間がかかることから生じています。
企業は未経験者の育成や教育機関との連携強化などの対策を講じていますが、急速に拡大するIT需要に追いつくのは容易ではありません。
IT化の需要拡大により、ITスキルを持つ人材不足が課題となっています。
人材のミスマッチ
人手不足の原因の一つとして、社会全体や職場内での人材のミスマッチです。
厚生労働省の発表によると、土木や介護、サービス業では有効求人倍率が高く、深刻な人手不足に陥っています。
一方で一般事務や会計事務、運搬・清掃・包装等の職種では、人材が余剰している状況です。
企業側と求職者側で求める能力や資格、労働条件などにズレが生じており、いわゆる「構造的失業」が発生しています。
このような労働力不足と構造的失業の同時進行が、慢性的な人手不足問題を引き起こします。
仕事で人手不足の業種・職種とは
人手不足は多くの業界で深刻な問題となっていますが、特に顕著な業種・職種があります。
各業界の状況を理解し、適切な対策が必要です。
以下に挙げた特に人手不足が深刻な業種・職種について詳しく解説します。
- 情報サービス業(IT業界)
- 建設・製造業
- 運送・物流業
- 介護・医療業
- 飲食・サービス業
- 経理・会計
情報サービス業(IT業界)
情報サービス業、特にIT業界は、社会全体のIT化の進展に伴い、人手不足が深刻化しています。
特にAIやビッグデータの活用に必要な専門的な知識や技術を持った人材が不足する予測です。
そこでIT業界では、未経験の人材の育成に力を入れるべく、経済産業省の「マナビDX」や小学校でのプログラミング教育の必修化など、官民一体となったIT人材の育成が進められています。
IT業界は残業が多い傾向にあるものの、働きやすさを向上させるための対策を進める企業も増えてきています。
建設・製造業
建設業界は、建物の老朽化による改修や災害対策のための工事の増加により、需要が伸びている一方で、人手不足が深刻化しています。
国土交通省の発表によると、2021年の就業者人口はピークの1997年と比較して約200万人減の479万人で、労働者の高齢化と若者の担い手不足が同時に進んでいるのが現状です。
建設業界では、ICTを活用した施工を進めることで生産性を向上させ、人手不足を補う取り組みが進んでいます。
例えば、ICTの活用により、図面や写真を社外からもアクセスできるようになり、移動時間の削減や情報共有の効率化が図れるようになりました。
また、専門技術を身に付けるためにVRやARを用いたトレーニングも進んでいます。
運送・物流業
運送・物流業界は、宅配サービスの利用が拡大・定着したことで人手不足が進んでいます。経済産業省の調査によると、宅配便の取り扱い個数は2021年までの5年間で23.1%増加しました。
しかし、配送ドライバーの長時間労働が多く、担い手が減っています。
政府主導の働き方改革が進んでおり、2024年4月から労働時間の上限が変更され、1年間の拘束時間の上限が最大3,400時間までとなりました。
そのため、物流業界では、宅配ロッカーの活用やアプリでの配達指定、IT化によるルート管理や荷物処理の効率化など、業務負担の改善を図る取り組みが進められています。
介護・医療
介護・医療業界は、日本の高齢化に伴い、需要が伸び続けています。
しかし、すでに現状でも働き手が確保できておらず、今後も人手不足が深刻化していくと予想されています。
厚生労働省の試算によると、2023年度には全国で233万人の人材不足となっており、今後も人数は増え続け、2040年度には280万人の人手不足となる見込みです。
人材が集まらない要因として、業務内容が過酷な印象を持たれていることが挙げられます。
そのため、介護・医療業界では、外国人材の積極的な雇用や介護ロボットの活用、アプリを導入したシフト管理や勤怠管理、介護関連資格の取得費用の援助など、人手不足を改善するための取り組みが進んでいます。
飲食・サービス業
飲食・サービス業は、新型コロナウイルス感染症の影響から徐々に回復し、需要が増加している一方で、深刻な人手不足に直面しています。
日本フードサービス協会の調査によると、2023年7月の売上高は2019年同月比で112%まで回復しています。
しかし、長時間労働や低賃金、雇用の不安定さなどの課題が人材確保を困難にしているのが現状です。
特に、アルバイトやパートタイム労働者の確保が難しく、店舗運営に支障をきたすケースも増えています。
業界では、労働環境の改善や待遇の見直し、キャリアパスの明確化など、人材確保と定着に向けた取り組みが急務です。
経理・会計
経理・会計業界は、特に中小企業で人手不足が顕著です。多岐にわたる業務を少人数で担当することが多く、専門性と汎用性の両方が求められるため、経理業務の負担が大きいのが要因です。
また、経理・会計業務は、企業の経営に直接影響するため、人材のミスマッチが生じると、企業の経営に大きな影響を及ぼす可能性があります。
そのため、経理・会計業界では、人手不足を解消するため、経理業務の自動化やアウトソーシングの活用など、業務の効率化を図る取り組みが進んでいます。
仕事で人手不足が及ぼす影響
仕事で人手不足が発生すると、企業や従業員、そして社会全体にさまざまな影響を及ぼします。人手不足が引き起こす主な影響は以下の通りです。
- 企業の生産性低下
- サービス品質の低下
- 人材の流出と採用難
- 倒産・廃業リスクの増大
それぞれの影響について詳しく解説していきます。
企業の生産性低下
企業の生産性低下は、人手不足がもたらす深刻な影響の一つです。
人手不足は、労働時間の延長や残業の増加によって従業員の負担が増大したり、新規事業の立ち上げや事業の拡大を妨げ企業の競争力低下につながったりする可能性があります。
企業には、人材の育成や外部リソースの活用、業務の効率化や自動化などの対策が求められます。
サービス品質の低下
人手不足によって、十分な人員を確保できないことで、顧客対応の遅延や質の低下が生じやすくなるため企業のサービス品質にも大きな影響を及ぼします。
特に、飲食業や小売業などの対面サービスを提供する業界では、人手不足によるサービス品質の低下が顕著です。
従業員一人ひとりの業務負担が増加することで、接客の質が低下したり、ミスや事故が増加したりするリスクが高まります。
また、人手不足により従業員の教育・訓練が不十分になると、サービスの質の維持・向上が難しくなるでしょう。
サービス品質の低下は、顧客満足度の低下や企業イメージの悪化につながり、企業の競争力を損なう恐れがあります。
人材の流出と採用難
人手不足は、人材の流出と採用難を引き起こす要因です。
人材の流出とは、企業が従業員を維持できず、退職や転職につながることを示します。一方、採用難とは、新たな人材を採用することが困難になることです。
人手不足が深刻化すると、従業員の負担が増加し、過労やストレスを与えます。
これにより、従業員の離職率が上昇し、人材の流出につながるのです。
また、人手不足により、新たな人材を採用することが困難になり、採用難につながります。
人材の流出と採用難は、企業の競争力を損ない、経済全体にも悪影響を及ぼす可能性を秘めているのです。
倒産・廃業リスクの増大
人手不足によって生産性の低下やサービス品質の劣化を招くと顧客の信頼を失う要因となり、倒産・廃業リスクが増大します。
特に中小企業では必要な人材を確保できないことで、業務の継続が困難になったり、過度な労働負担が従業員の離職を招いてさらなる人手不足を引き起こす悪循環に陥ったりしています。
競争力を失うことで市場からの撤退を余儀なくされる場合も考えられるため、企業は人材確保のための戦略を見直し、働き方改革や労働環境の改善を進めるなど対策が必要です。
仕事の人手不足を解消する方法
人手不足は多くの企業が直面する深刻な課題ですが、適切な対策を講じることで乗り越えることができます。
以下では、人手不足の解消法について解説します。
- 働き方改革の推進
- 多様な人材の活用(女性・シニア・外国人)
- 業務効率化とIT化の推進
- 人材育成と定着率向上の取り組み
- アウトソーシングの活用
働き方改革の推進
人手不足を解消するためには、働き方改革の推進が重要です。
働き方改革とは、従業員の働き方をより柔軟にし、生産性を高めるために行われる取り組みです。具体的には、テレワークやフレックスタイム制の導入、残業時間の削減、育児・介護休暇の充実などが挙げられます。
これらの取り組みにより、従業員の負担を軽減し、仕事と生活のバランスを改善できます。
政府も働き方改革を推進しており、働き方改革推進法の施行やテレワークの普及促進など、さまざまな施策を講じています。
多様な人材の活用(女性・シニア・外国人)
多様な人材の活用は、人手不足を解消するための重要な戦略の一つです。
女性、シニア、外国人など、多様な人材を活用することで、企業は新たな視点やスキルを獲得し、競争力を高めることができます。
特に、女性の活用は重要です。女性の労働力参加率は男性に比べて低く、女性の活用を促進することで、労働力人口を増やすことができます。
また、豊富な経験と知識を持つシニアは、企業の知的財産として活用できます。
異なる文化や言語のスキルを持つ外国人の活用も、企業のグローバル化を推進するうえで重要です。
業務効率化とIT化の推進
業務効率化とIT化の推進は、人手不足を解消するための重要な戦略です。
業務効率化により、限られた人材でより多くの業務をこなすことができます。
具体的には、業務プロセスの見直しや無駄の削減、タスクの優先順位付けなどが挙げられます。
一方、IT化は、デジタルツールやソフトウェアを活用して業務を自動化し、作業の迅速化と精度向上が期待できます。
例えば、クラウドサービスの導入やAIによるデータ分析の活用です。
従業員はより付加価値の高い業務に集中でき、企業全体の生産性が向上します。
人材育成と定着率向上の取り組み
人材育成と定着率向上の取り組みは、人手不足を解消するための重要な戦略の一つです。
具体的には、以下のような取り組みがあります。
- 訓練プログラムの実:人材の育成を図ることができる
- キャリアパスの明確化:従業員のモチベーションを高め、定着率向上を図ることができる
- 福利厚生の改善:従業員の満足度を高め、定着率向上を図ることができる
- 交流促進の取り組み:チームワークを強化し、定着率向上を図ることができる
これらの取り組みを通じて、企業は人材の育成と定着率向上を図れます。
アウトソーシングの活用
人手不足を解消するためには、アウトソーシングの活用が有効です。
アウトソーシングとは、自社で行っていた業務の一部を外部の専門企業に委託することです。
例えば、人材確保が難しい専門的な業務や繁忙期の業務などをアウトソーシングすることで、自社の人材を効率的に活用できます。
また、アウトソーシング先の専門性を活かして業務の質の向上も期待できます。
ただし、アウトソーシングを行う際は、委託先の選定や情報管理など、適切な管理が必要です。
アウトソーシングを戦略的に活用し、人手不足の解消と業務効率化を図りましょう。
持続可能な企業経営のために人手不足対策に取り組もう
人手不足は、企業の持続可能な経営を脅かす大きな課題です。
日本の労働市場は、少子高齢化や労働力人口の減少により、人手不足が深刻化しています。人手不足は、企業の生産性低下やサービス品質の低下につながり、競争力低下や倒産・廃業リスクの増大につながる可能性があります。
人手不足を解消するためには、多様な人材の活用や働き方改革、業務効率化やIT化の推進などが必要です。さらに、人材の育成と定着率向上の取り組みやアウトソーシングの活用も検討する必要があります。
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Fammアシスタントオンラインは、人手不足対策のための専門的な知識や経験を提供し、企業の持続可能な経営を支援します。
ぜひ、Fammアシスタントオンラインを活用して、人手不足対策に取り組みを検討しましょう。
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