記帳代行とは？基本からおすすめサービスまで分かりやすく解説

2024.10.23 経理

記帳代行とは、企業の帳簿の作成を依頼できるサービスです。

記帳業務に追われ、本来の業務に集中できないと悩んでいる方は少なくありません。

記帳代行を活用すれば、コア業務に集中できたり、記帳ミスを軽減できたりというメリットがあります。

しかし記帳代行を利用したいと思っていても、信頼できる記帳代行サービスをどう見極めれば良いか困っている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、記帳代行の基本から代行サービスの選び方、さらにおすすめのサービスまで詳しく解説します。

この記事でわかること

記帳代行の基本的な知識やメリット・デメリット
信頼できる記帳代行サービスの選び方と、おすすめ記帳代行サービス
記帳代行を依頼するならFammアシスタントオンラインがおすすめ

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1 記帳代行の基本知識
- 1.1 経理代行との違い
- 1.2 記帳代行は税理士法に違反しないサービス
2 記帳代行に依頼できる業務内容
- 2.1 各帳簿の作成
- 2.2 会計ソフトへのデータ入力
3 記帳代行の依頼先
- 3.1 税理士事務所
- 3.2 記帳代行サービス会社
4 記帳代行サービスのメリット
5 記帳代行サービスのデメリット
6 記帳代行の費用相場
- 6.1 税理士事務所に依頼する場合
- 6.2 記帳代行サービス会社に依頼する場合
7 記帳代行を依頼する際に必要な書類
8 記帳代行を依頼する際の注意点
9 信頼できる記帳代行サービスを選ぶ際のポイント
10 おすすめの記帳代行サービス会社3選
11 自社に合った記帳代行サービスを見つけよう

記帳代行の基本知識

記帳代行とは、日々の帳簿作成業務を代行するサービスです。

事業活動を行う中で、領収書の処理や会計ソフトへのデータ入力業務が日々発生しますが、自社に専任の担当者がいない場合や、業務が忙しくて対応が難しくなる場合に、記帳代行は便利なサービスです。

記帳代行を利用すれば、企業は必要な書類を提出するだけで、正確に取引データを入力してもらえるため、手間を省きつつ効率的に記帳業務を進めることができます。

経理代行との違い

記帳代行と経理代行は似たような言葉ですが、代行範囲が異なります。

記帳代行は、領収書や請求書、通帳のコピーなどをもとに、会計ソフトや帳簿に取引内容を記載するまでが基本的な業務の範囲です。

一方で経理代行は、記帳に加えて、給与計算、支払い管理、請求書の発行など、経理業務全般を代行します。

記帳代行は、日々の取引を効率的に管理したい中小企業や、スタートアップ企業に向いており、経理代行は、企業の成長に伴い経理担当者の負担が大きくなる場合に適しています。

記帳代行は税理士法に違反しないサービス

記帳代行は、税理士法に違反するサービスではありません。

税理士法では、税務処理は税理士のみが行える業務と定められていますが、記帳は税務処理ではなく、会計データの入力作業にあたるため、税理士の資格がなくても提供できるサービスです。

ただし、記帳代行サービス会社が無資格で税務相談や税務申告を行うことは違法になります。

記帳代行を利用する際には、サービス会社が適切な業務範囲でサービスを提供しているかを確認しましょう。

記帳代行に依頼できる業務内容

記帳代行に依頼できる主な業務について詳しく見ていきましょう。

各帳簿の作成
会計ソフトへのデータ入力

各帳簿の作成

記帳代行の主な業務の1つが各帳簿の作成です。

記帳代行が作成できる帳簿には、以下のようなものがあります。

帳簿名	内容
現金出納帳	現金の入出を記録し、企業の現金の流れを把握するための帳簿。
預金出納帳	銀行口座で行われた入出金を記録し、振込や口座振替の内容を明確にする帳簿。
売掛残高一覧表	売掛金の残高を管理し、取引先への未回収金を把握するための一覧表。
買掛残高一覧表	企業が支払うべき買掛金の残高を管理する一覧表。
試算表	企業の財務状況を確認するために、収支や貸借対照表を整理した試算表。
総勘定元帳	全ての取引をまとめて管理し、企業の財務状況を詳細に把握するための元帳。

帳簿作成は、月次で作成する場合が多く手間がかかりますが、記帳代行を利用することで効率良く処理でき、正確な帳簿管理ができます。

会計ソフトへのデータ入力

会計ソフトへのデータ入力も記帳代行の主な業務です。

取引に関する領収書や請求書、通帳のコピーなどの資料を記帳代行に提出し、記帳代行会社がこれらの資料をもとに、正確に会計ソフトへ入力します。

記帳代行を利用することで、取引データの入力ミスを防ぎ、入力業務をスムーズに進められます。

また、オプションサービスとして、提出した資料のファイリングや保管を代行会社が行ってくれる場合もあるので、事前に確認しましょう。

記帳代行の依頼先

記帳代行の依頼先は、主に2つの選択肢があります。それぞれの依頼先について詳しく解説します。

税理士事務所
記帳代行サービス会社

税理士事務所

税理士事務所は、記帳業務だけでなく、税務相談や決算申告の代行も依頼できます。

特に、決算申告や年末調整といった業務は、税理士以外では代行できないため、作業をスムーズに進めたい場合は、記帳代行から一貫して税理士事務所に依頼すると効率的です。

ただし、税理士事務所に依頼する場合は、記帳から税務面まで一括でサポートを受けられる反面、記帳代行サービス会社に比べるとコストが高くなります。

また、多くの場合は顧問契約を結ぶ必要があり、月々の契約費用が発生する点も考慮しなければなりません。

記帳代行サービス会社

記帳代行サービス会社は、記帳業務に特化したサービスを提供する会社です。

税理士事務所に比べ、費用が安価であり、必要な業務だけを依頼できます。

特に、中小企業やスタートアップ企業において、予算や人的リソースが限られている場合におすすめのサービスです。

注意しておきたい点は、記帳代行サービス会社は税務の専門会社ではないため、基本的に決算申告や年末調整などの税務に関する業務は依頼できません。

ただし、税理士の資格所持者が代行会社に在籍している場合は、税務に関する業務も依頼できるので、事前に依頼範囲を確認しておきましょう。

記帳代行サービスのメリット

記帳代行サービスにはさまざまなメリットがあります。以下では、記帳代行サービスを利用する際の主なメリットについて解説します。

コア業務に集中できる
記帳ミスのリスクを軽減できる
記帳処理のスピードが向上する

コア業務に集中できる

企業が記帳代行サービスを利用する最大のメリットは、自社の従業員がコア業務に集中できる点です。

記帳作業は企業にとって必要不可欠な業務ですが、記帳業務に多くの時間を費やしていると、営業や製品開発などの本来注力すべき業務にリソースを割くことが難しくなります。

特に、人員が少ない企業では、記帳などの日常業務が社内のリソースを圧迫することが少なくありません。

記帳代行サービスに記帳業務を委託することで、自社担当者が記帳業務に追われることなく、企業の収益に直結するコア業務に専念できます。

記帳ミスのリスクを軽減できる

記帳作業は正確さが求められる重要な業務ですが、取引が多い企業ほど記帳ミスのリスクが高まります。

記帳は領収書や請求書、通帳などをもとに、正確に仕訳を行わなければいけませんが、注意を怠ると誤った内容が記帳され、後の監査や税務申告に影響を及ぼす可能性があるのです。

記帳代行サービスでは、記帳の専門的知識を持ったスタッフが記帳やデータ入力を行うため、ミスの発生率を大幅に抑えられます。

記帳ミスが減ることで、税務処理や会計監査への対応もスムーズに進められるでしょう。

記帳処理のスピードが向上する

記帳代行サービスを利用することで、記帳処理のスピードが向上します。

取引量が多くなると、記帳作業は時間がかかりますが、記帳代行会社は記帳に関する効率的なシステムやノウハウを持っているため、迅速に記帳処理ができます。

さらに、繁忙期で業務量が増加するタイミングでも、記帳代行会社に依頼すれば、社内の記帳業務負担を軽減しつつ、スピーディーに処理を進めることが可能です。

また、迅速な記帳処理によって、企業の財務状況を常に把握できるため、経営判断を行う際にも役立ちます。

記帳代行サービスのデメリット

記帳代行サービスにはさまざまなメリットがある一方、デメリットも存在します。以下では記帳代行サービスを利用する際の主なデメリットについて解説します。

自社にノウハウが蓄積されない
リアルタイムの業績把握が難しい場合がある
情報漏えいのリスクがある

自社にノウハウが蓄積されない

記帳代行を利用するデメリットの一つは、自社にノウハウが蓄積されない点です。

記帳業務を外部に委託すると、自社担当者が記帳業務に関わる機会が減るので、記帳に関するスキルや知識を深める場が少なくなります。

また、記帳代行サービス会社との契約終了や、急なトラブルでサービスの利用が難しくなった場合、すぐに自社内で同水準の業務を行うことは容易ではありません。

そのため、外注しながらも定期的に社内の記帳担当者を研修させるなど、ノウハウを蓄積するための仕組みを整えることが大切です。

リアルタイムの業績把握が難しい場合がある

記帳代行サービスを利用すると、外部の代行会社が取引データの入力や帳簿作成を行うため、社内で即時に業績を把握することが難しい場合があります。

特に、即座に経営判断が求められる場面では、業績把握の遅れがビジネスに悪影響を及ぼすこともあるでしょう。

企業としては、代行会社からの定期的な報告の場を設けたり、依頼業務に関する内容をシステムで管理したりするなどの、業績把握の遅れを最小限に抑える対策が必要です。

情報漏えいのリスクがある

記帳代行サービスを利用する際は、外部の会社に自社のデータを提供するため、情報漏えいのリスクも考慮しなければなりません。

財務データや取引情報などの機密情報が外部に流出すると、企業の信用や競争力に悪影響を及ぼす可能性があります。

こうしたリスクを最小限に抑えるために、依頼先の代行会社がしっかりとしたセキュリティ対策を講じているかを確認しましょう。

具体的には、データの暗号化やアクセス権の管理が徹底されているかを確認すると安心です。

記帳代行の費用相場

記帳代行の料金体系は、税理士事務所と記帳代行サービスで異なります。それぞれの費用相場について詳しく見ていきましょう

依頼先	費用相場
税理士事務所(法人)	40,000円～／月
税理士事務所(個人)	30,000円～／月
記帳代行サービス会社(仕訳数プラン)	10,000円／仕訳100件
記帳代行サービス会社(時間制プラン)	50,000円～100,000円／月30時間

税理士事務所に依頼する場合

税理士事務所に記帳代行を依頼する場合、税務申告や税務相談など、記帳代行以外の業務も含まれます。

税理士事務所に依頼する場合は、顧問契約を結ぶのが一般的であり、月々の顧問料を払うことで、税理士事務所による一貫したサポートを受けられます。

法人における月額顧問料の相場は40,000円〜です。

一方で、個人事業主の場合、月額顧問料の相場は30,000円〜で、法人よりもやや低めの費用相場になります。

記帳代行サービス会社に依頼する場合

記帳代行サービス会社に依頼する場合、費用は仕訳数に基づいて決まることが一般的です。

費用相場は、仕訳数100件につき10,000円で、仕訳数が増えるほど費用も比例して上がる仕組みです。

仕訳数に基づくプランは、予算の見通しが立てやすいので、取引件数を明確に把握できる企業に適しています。

また、一部の代行サービスでは時間制のプランを提供しており、作業時間に基づいて費用が決まります。

費用相場は月30時間あたり50,000〜100,000円で、作業内容や量が月によって変動する場合や、一定の期間だけサービスを利用したい企業におすすめです。

記帳代行を依頼する際に必要な書類

記帳代行を依頼する際に、必要となる代表的な書類は下記の通りです。

書類名	内容
領収書・現金出納帳	現金の出入りを記録する書類。領収書は支払いを記録し、現金出納帳は現金の動きを記録する。
請求書控え・売上管理表	売上に関する書類。請求書控えは取引先への請求確認、売上管理表は売上をまとめた表。
通帳コピー・振込明細	銀行での入出金を記録する書類。通帳は入出金の動きを記録し、振込明細は振込内容を記録する。
クレジットカード明細	クレジットカードの利用明細。立替金や支出内容を確認する。
支払管理表・請求書	買掛金に関する書類。支払管理表は支払い予定を記録し、請求書は支払金額を記録する。
賃金台帳・給与明細	従業員の給与支払いに関する書類。賃金台帳は給与を記録し、給与明細は支給額と控除額を記録する。

記帳代行を依頼する際の注意点

記帳代行サービスを利用する際には、いくつか注意しておくべきポイントがあります。ここでは、記事代行を依頼する際に気をつける点を解説します。

違法サービス会社でないことを確認する
スタッフと秘密保持契約を結んでいるかどうか確認する
決算申告や年末調整の費用を確認する
依頼するタイミングを確認する

違法サービス会社でないことを確認する

記帳代行サービスを利用する際には、まず依頼先の代行会社が違法サービス会社ではないかどうかを確認することが大切です。

違法サービス会社に依頼すると、データの取り扱いミスや不正が発生するリスクが高まり、最悪の場合、不適切な会計処理が行われ、企業が大きな損害を被る可能性もあります。

信頼性の高いサービス会社を選ぶためには、依頼先の運営実績や顧客からの評判を確認することが重要です。

また、問い合わせをした際の対応が適切であるか、契約前に詳細な説明があるかなど、細かい点にも注意を払いましょう。

スタッフと秘密保持契約を結んでいるかどうか確認する

次に、秘密保持契約（NDA）を結んでいるかを確認しましょう。

記帳代行では、企業の財務情報や取引データなどの重要な情報を外部に提供するため、データ漏えいのリスクが伴います。

信頼性の高いサービス会社であれば、スタッフとの間に秘密保持契約を結び、顧客情報の保護を徹底しています。

秘密保持契約が結ばれているかを確認し、情報管理を徹底することで、トラブル発生リスクを下げられます。

決算申告や年末調整の費用を確認する

記帳代行を依頼する際には、決算申告や年末調整といった税務関連の業務費用も確認しておく必要があります。

記帳代行サービスの中には、記帳と合わせて決算申告や年末調整といった税務処理も委託できるサービスがありますが、税務処理は別途料金がかかることが一般的です。

事前にサービスの範囲を明確にし、どの業務にどの程度の追加費用が発生するかを確認しておけば、思わぬコストの発生を防げます。

依頼するタイミングを確認する

記帳代行を依頼するタイミングの確認も大切です。

例えば、年末や決算期などは代行会社への依頼が混み合うため、早めに代行を依頼する必要があります。

また、月次処理や四半期ごとの報告が必要な場合、記帳業務が遅れると経理や税務に悪影響を及ぼす可能性もあるため、スケジュールをあらかじめ確認し、必要なタイミングに委託できるかを確認しましょう。

信頼できる記帳代行サービスを選ぶ際のポイント

記帳代行サービスを選ぶ際には、いくつかのポイントをおさえることが重要です。ここでは、信頼できる記帳代行サービスを選ぶために重要なポイントを解説します。

業務内容と料金プランが釣り合っているか
自社で利用している会計ソフトに対応しているか
コミュニケーションの柔軟性は高いか

業務内容と料金プランが釣り合っているか

最初に確認すべき点は、業務内容と料金プランのバランスです。

記帳代行サービスの料金は、一般的に時間制や仕訳数に応じた料金設定が多いですが、高いプランだからといって必要な業務がすべてカバーされているとは限りません。

どの業務が料金に含まれているのか、追加で発生する料金はあるのかについても確認し、予算に収まる範囲で必要なサポートが提供されているかを確認しましょう。

自社で利用している会計ソフトに対応しているか

記帳代行サービスを選ぶ際、自社が利用している会計ソフトに対応しているかも確認しないといけません。

対応していないソフトを利用していると、データの互換性が問題となり、余計な手間や費用が発生することがあります。

自社の会計ソフトに対応しているかどうかを事前に確認し、スムーズに記帳代行を依頼できるかどうかを調べておきましょう。

コミュニケーションの柔軟性は高いか

記帳代行サービスを選ぶ上で、コミュニケーションの柔軟性は重要なポイントです。

記帳作業は、取引内容の確認や資料の追加提出が必要になる場合が多く、代行会社との連絡が滞りなく取れることが重要です。

そのため、記帳代行サービスを選ぶ際は、サポート体制がしっかりしているか、担当者とのやり取りがスムーズかどうかを確認しましょう。

また、電話やメールでのサポートのほか、必要に応じてオンライン会議やチャットなど、柔軟に対応してくれる代行会社であれば、安心して記帳業務を任せられます。

自社に合った記帳代行サービスを見つけよう

記帳代行サービスは、企業の記帳業務を効率化させるための大きな助けになります。

記帳代行サービスを選ぶ際には、業務内容と費用のバランスや、自社の会計ソフトに対応しているか、コミュニケーションの柔軟さなどを確認し、自社のニーズに合った記帳代行サービスを選ぶことが重要です。

本記事を参考にして、自社に最適な記帳代行サービスを見つけましょう。

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